新漬けの製造をするオリーブ農家の毎日

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梅の季節になると「梅仕事」や「梅のお世話」という言い方を耳にしますが、新漬け製造中のこの時期はまさに「オリーブのお世話」をする毎日です。
 
新漬けオリーブの製造工程は、
 
① 苛性ソーダで渋抜き
② 水に漬けて実からソーダを抜く
③ 塩水に漬けてゆく
 
というのが一般的です。
 
まず①の苛性ソーダによる渋抜きですが、オリーブの品種や熟れ具合、さらに室温や水温によって、渋が抜ける時間が変わります。
 
たとえばA園とB園で同じ日に同じ品種を収穫しても、園地の場所や地形によっても熟れ具合は様々です。
 
苛性ソーダに漬けて数時間後に実を切って渋の抜け具合を確認するのですが、まだうまく抜けていない場合には30分後や1時間後にこの作業をくり返して、自分が目指す渋の具合を目指します。思ったとおりに抜けていないと、「あら、、また1時間後か、、それまで待機、、」ということがよく起こります。。
 
そうして渋が抜けたら次の工程。②水に漬けてソーダを抜く、です。実のなかに染み込んだソーダの成分を抜いていくのですが、そのために1日に数回水換えをします。
 
収穫作業と並行して加工場での水換えをするので、間隔は4時間だったり6時間だったり8時間だったりするのですが、1日に数回この作業をする日を、うちでは2日間やっています。
 
で、その次がやっと③塩水に漬ける。ここまでくると、1日に数度水を換えるということはなくなります。オリーブのお世話も少しだけひと段落、なのですが、先に収穫した実の樽がこの工程までくる頃には、別の日に収穫した樽の①や②の工程が待っている、、、
 
というようにまさにオリーブのお世話に追われる毎日です。睡眠も小刻みだったり不規則だったり、オリーブ中心の生活が10月初旬まで続きます(新漬けの漬け込みがひと段落する頃に今度はオリーブオイルの搾油が始まります)。
 
これが、新漬けの製造をするオリーブ農家のこの時期の過ごし方です✌️✌️

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