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2019年日本の「ライブコマースの勝算」


ありがたいことに、ライブ配信やライブコマースについての取材を受ける機会が多くなってきました。

でも話を聞いてると、取材してくる人たちも全く詳しくない人ばかりで、やっぱりまだまだ知られてない。

その度に悔しいなあと思いもがくので、書いちゃいました。
長いけどお付き合いください!



ライブコマース、知っていますか?
ライブ配信をしながらものを売るサービスです。

メリットとしては、

・動画だから商品の特徴が視覚的に伝わりやすい
・視聴者の疑問や不安をその場で解決できる
・動画の編集ができないから、嘘はばれる。つまり信頼度は高い
・買ってくれた人がどんなひとか分かりやすいし、その場で直接「ありがとう」と言える
・視聴者は生配信の視聴に時間を割いてくれるくらいの演者やアプリのコアファンなので、購買に繋がりやすい

など、いろいろ!

ただのネットショッピングより楽しく、わかりやすく、信頼できる、
かなり画期的なサービス。


だから、ビジネスとかの一部の界隈ではすごく注目はされている(ゆうこすも登壇したイベントで、ライブコマースのパートは特に人が多かったって言ってた)
けど、

実際は、なかなか普及も浸透もしていない。

普段私も自己紹介とかで「ライブコマースの事業を手がけていて〜」とか言うと、頭の上に?マークを浮かべられることが多いです。


自分が実際に自分の写真集をライブコマースで売ったり、
ライブコマースのアプリに出演したり、
旅メディアにライブコマースを取り入れたサービス「TaVision」の運営をしていたり、

ライブコマースをプレイヤーとしてもマネージャーとしてもやっているレアな立場な私なりに、

「注目されてはいるのになかなか上手くいっていない理由」「じゃあどんなライブコマースなら成功するのか」をずっと思い悩んだり肌で感じたりしているので、書きます!



ライブコマースがうまくいかない理由


私が思うライブコマースの課題は大きく分けると2つ。
どうにもならない「環境要因」と、どうにかなりそうな「人員不足」です。


1.環境要因:日本は中国とは違う!

ライブコマースの話をするとき、よく成功例として中国が語られます。

じゃあ日本も中国の真似をすればいいのかというと、そんなことをしても絶対うまくいかない。


中国はそもそもその性質がライブコマースに向いていて、

・商品への信用が薄い(偽物とか安全性とか)
→自分の好きで信頼してる人が紹介してるものなら買う

・広い&都心と田舎の格差のせいでなかなか店舗に行けない人も多い
→ネットで手軽に安心して買えると嬉しい

・テレビがつまらない(らしい)
→そもそもスマホ動画、ライブ配信が普及している

とかとか。


一方日本は、

・商品への信用がめっちゃ高い
・店舗にもすぐ行ける
→お店かAmazonで大抵のものは不満なく買える

・国民性としてせっかちだったり生真面目だったり
→正確ですぐ届くAmazon大好き、ライブ配信を見るのに時間を割けないor割きたくない人が多い

・テレビが面白いというか充実してる(中国よりは)
→国民性とも相まってライブ配信自体が普及しない

といった感じ。

だから、そもそもの環境がこんなに違うから、中国の真似をしてもうまくいきません。


日本で人気なタレントがお店でも売ってるコスメをそのままライブコマースで売ったとして、彼女のファンの数に対して売れる数ってかなり少なくなるはず。

「すごくわかりやすく紹介してくれて嬉しい!私もお揃いしたい!
でもこのライブコマースのところで買うより、ネットで探して買う方が安いし早く届きそうだからあとで暇なときに覚えてたら探してみよ」
ってなってしまう。

なんのストーリーも独自価値もないただの「モノ」は、ライブコマースで売っても成功しない!


2.人員不足:ライブ配信で喋れるインフルエンサーがいない!

コマースに限らずPRとかでも、これに困ってる企業さんは多いはずです。

ライブ配信は、何かを紹介するのに、一番嘘偽りなく、だからこそ魅力がしっかり伝わる手段なのに、それができる人がいない!


この問題は2側面に掘り下げることができると思っていて、


・ライブ配信アプリ(SHOWROOMや17)でいつも配信してる子は配信自体は上手だしファンの熱量は高いけど、アプリの「投げ銭」という性質上、ファン層がだいたい異性だから、売るモノへの共感が得られにくい。売れるものが限られる。
(女の子が男性しか見てないのにコスメ売ってもね、という話)


・インスタグラマーの女の子とかは、影響力も強くて同性のファンがいっぱいいるけど、ライブ配信に疎いことが多い。経験が少ないから下手だったり、気取ってる系のインスタグラマーだと修正が効かなくてファンとの対等性がつよいライブ配信をそもそも避けがち。(私の感じたところですが)

影響力のあるインスタグラマーさんでも、いざライブ配信でモノを紹介するとなると、
商品とかの紹介が十分にできずに、気づいたら「今日も可愛い!」「ありがとう〜」のやりとりの繰り返しになってしまったり。


ただこれは環境と違ってどうにかできるところなので、

・前者であれば、ライブ配信アプリではない他のところ(インスタとか)で同性のファンを増やす

・後者であれば、すでに同性のファンも多いインフルエンサーを、ライブ配信もできるように育てる

ことがそれぞれ必要だな、と思ってます。


これはもう気づいたもん勝ちだよね。
(というわけで今後、会社でも取り組んでいく予定です!)



じゃあどんなライブコマースなら成功するんだよ!!!


上記を踏まえて、私が考えるうまくいくライブコマースを3つ、お話しします!


1.「ファンに」売る

ライブ配信を見ているのはコアなファン。
だから、ライブコマースは「認知」を広げる場所じゃなくて「人気」を深める場所です。

不特定多数に売ろうとするのではなく、演者(売り手)のファンに向けて売る!


既製品であれば、ストーリと独自価値がないとライブコマースでは売れない。

だから売るものは、
演者が本当に愛用していて、それを使ってる理由だったり使っててのエピソードだったりを自分の言葉で話すことができるもの、
なおかつ販売の配信限定でサインがつくとか、限定でコラボデザインで売るとか。

やり方ならいくらでもあります。


もっといいのは、既製品じゃなくてオリジナル商品。

私だったら写真集を売ったし、
ゆうこすならスキンケアやアパレルのオリジナルブランドの商品はライブコマースを主軸にしています。


2.「なかなか買えないモノ」「そもそも知られていないモノ」を売る

これは地方とか海外とかと親和性高いと思っていて、
やっぱり遠く離れた場所のものって知られていないことが多いし、そこでしか売ってないこともありますよね。


例えば、完全に今この瞬間の思いつきだけど、
地方の伝統工芸の織物素材でモダンなデザインを取り入れたポーチとか!

東京とかネットでは買う機会ないし、あまり知られていないものだけど、
例えばライブ配信で生産者さんが織る過程や、その土地の様子を見せたら、面白くて愛着→購買のきっかけになるかもしれないし、
ポーチとかなら実際の使いやすさとか機能性はライブの方がわかりやすい。(特にチャックの締まりやすさとか触った時の柔らかさとか)

そういうのだったら、紹介する演者は愛用してるとかではなくて、
「こんなものあるんだ!」「これすごい!気に入った!」っていうのを素直に伝えられる演者がいい。

(TaVisionぽい、、、笑)


3.「体験」を売る

これもTaVisonに近いんだけど、、


モノなら簡単に買える。
でも体験って、買うのにハードル高くないですか?

旅行とか、エステとか、
「写真はすごくいいけど、実際のところどんな感じなの?」っていう不安が絶対あると思う。

そういうのを解決できるのがライブ配信。


編集が効かないから、その体験をライブ配信で見れたらそこの不安は他のツールより確実に解消できるし、
旅行とかアクテビティの「楽しさ」「ワクワク感」って、ライブ配信が一番伝えられる・共有できると思う!

それこそがやっぱりライブでやる意味だと思うから。


「ライブコマース」っていうと「モノ」を売るっていうことにとらわれがちかもしれないけど、
ライブで見てこそ楽しい・嬉しい「体験」こそ、ライブコマースと親和性高いと思ってます。




と、ライブコマースに関して、プレイヤーかつマネージャーとして感じていることをまとめてみました!

やっぱり面白いサービスだから、もっともっと普及してほしいっていうのが根本のモチベです。


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Twitterまで! @itomari_19)



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