伊藤耕介

京都大学防災研究所准教授。気象予報士。秋田県生まれ。台風や天気予報の研究をしています。

伊藤耕介

京都大学防災研究所准教授。気象予報士。秋田県生まれ。台風や天気予報の研究をしています。

記事一覧

論文セルフ解説:3次元的な藤原効果

まずは、こちらのアニメーションをご覧ください。 2つの台風の動きに関しては、お互いを反時計回りに回転させ、徐々に近づいていくという「藤原効果」が有名です。ところ…

伊藤耕介
1年前
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論文セルフ解説:台風通過時にみられる気象庁の日別海面水温解析のバイアス

note初投稿です! 気象庁が数値天気予報に使っている海面水温(Sea surface temperature; SST)にバイアスがあるという論文を書いて、その速報版が日本気象学会の英文誌JMSJ…

伊藤耕介
2年前
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論文セルフ解説:3次元的な藤原効果

まずは、こちらのアニメーションをご覧ください。

2つの台風の動きに関しては、お互いを反時計回りに回転させ、徐々に近づいていくという「藤原効果」が有名です。ところが、この数値実験では、最初こそ、お互いを反時計回りに回転させるものの、相手から離れた側で対流活動が活発になり、徐々に離れていきます。

このアニメーションは、WRFと呼ばれる数値シミュレーションモデルを用いて2つの台風を約1000km離し

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論文セルフ解説:台風通過時にみられる気象庁の日別海面水温解析のバイアス

note初投稿です!

気象庁が数値天気予報に使っている海面水温(Sea surface temperature; SST)にバイアスがあるという論文を書いて、その速報版が日本気象学会の英文誌JMSJに掲載されました。論文には書ききれなかったこともあるので、noteの練習も兼ねて、解説を書いてみたいと思います。

内容は執筆時点(2021年12月3日)のものです。

1. 動機2020年9月に台風

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