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「心身症」には心理療法(カウンセリング)が効果的。あなたの不眠、肩こり、腰痛、胃腸の不調は、心に原因がある身体の病気「心身症」かもしれません。

心身症とは心に原因がある「身体の病気」

悩みごとや心配ごと、または持続的なストレス。
その心の苦しさが症状となって身体に現れることがあります。
それを心身症といいます。

代表的なのは、睡眠関係(寝付けない、深夜または早朝に目が覚めてしまう、眠りが浅い)、胃腸関係(胃が痛い、吐き気、食欲がない、下痢、軟便、便秘、お腹の張り)、筋肉の緊張関係(頭痛、肩こり、背中や腰の痛み)、皮膚関係(蕁麻疹、脱毛)、免疫が関係すること(風邪をひきやすい、治りにくい、炎症をおこしやすい)などです。

心身症になった時はどうすればいいの?

頭痛や胃腸の症状なら内科、肩こりや腰痛なら整形外科、不眠だと心療内科に行き、検査を受け、薬を飲むのが一般的です。

検査をしたり、結果を聞いたり、薬を試したり変えたり、なんやかんやで複数回の通院が必要で、症状が改善するのに1ヵ月かそれ以上かかるかもしれませんね。

いや1ヵ月で済めばいい方です。
検査の結果や医師の説明によっては、もっと不安になり、心配が増え、病気だと思い込み、ますますこじれ長期化することだってありえます。

それに対し、うまくいけば1回で解決する可能性があるのが、心理療法(カウンセリング)です。
ただし、どんなカウンセリングでもいいわけではありません。
世の中にカウンセラーはごまんといますが、心身症の心理療法(カウンセリング)ができるのは、医療系の知識と資格、心理系の知識と資格の両方をもったごく一部の人だけです。ぜひ最後までお読みください。

わたしの心身症改善例

わたしは子どもの時から、不安と緊張が強くさまざまな不定愁訴(心身症)を経験してきました。
拙著『人生を変える幸せの腰痛学校』に書いたように、24歳で腰下肢痛になり、入退院を繰り返しています。その原因の一部は間違いなく心理的なものでした。

そこでわたしは、鍼灸の国家資格を取り、心理学&心理療法を学び、おかげさまでここ10数年は心身ともに穏やかで健康にすごしてきました。

先月、久しぶりに心身の調子を崩しました。
きっかけは感染症へ不安です。感染症拡大の影響で、仕事が減り、人に会うことが減る中で、感染して重症化したらどうしよう? 肺炎になるとさぞ苦しいだろう、重症化しても入院できないのはどれほどの不安だろうか、などなどを考えているうちに、心がまいっちゃいました。

眠れなくなり、吐き気がして、下痢と便秘を繰り返す。
典型的な心身症です。
電車に乗ることや外食も怖くなりました。
不安神経症傾向が強まっています。

わたしは心身症の専門家ですので、原因もわかっていますし、対処法もわかっています。なったものはしょうがない、あわてず騒がす、自分を大切にしながら、長い目でゆっくり改善すればいいやと思っていました。

ちょうどそんな時、以前から申し込んでいた黒丸尊治先生のセミナー「ホリスティックコミュニケーション実践セミナー」がありました。

正直なところ電車に乗るのも人が集まるところに行くのも怖くて怖くて仕方がなかった時です。ですが、ここで行かないとますます不安神経症が悪化すると思い、勇気を出して参加しました。

不安には逆説療法 怖いことをやってみる

不安には「その不安なことをあえてやる」という逆説的な方法がとても効果的です。劇薬ですけどね。即効性はありますよ。
実際わたしの場合「このセミナーに参加したこと」で30%くらいの不安は消えました。

そして、残りの50%の不安は、講座の中のデモンストレーションとしてカウンセリングを受けたことで解決しました。

デモンストレーションなので30分間のカウンセリングでしたが、そのたった30分でその日の夜から眠れるようになりましたし、胃腸症状も軽減、過度な心配もなくなりました。
劇的な効果といえます。
これが「心理療法(カウンセリング)」の力なんです。
この力を多くの人に知ってほしいと思いこの記事をかいています。

心身症の心理療法(カウンセリング)ができるのは

心身症のカウンセリングをするためには、解剖学、生理学などの基礎医学と臨床医学の知識が必要です。

たとえば、胃痛といっても悪性腫瘍の可能性があるかもしれませんし、腰痛と言ってもまれに危険な腰痛もあります。精神的な症状の中には、薬物治療が必要な症状もあります。

これらの的確な鑑別ができ最適な助言ができるのはやはり医師でしょう。
多くの心療内科医の方が、心理療法(カウンセリング)を学んでくだされば、患者さんも激減するのになあといつも思っています。
※減っちゃあ困るのかもしれませんね(笑)

コミュニケーションそのものが治療になる

黒丸尊治先生は、現ホリスティック医学協会の会長で、もともとは心療内科、現在は緩和ケアの医師です。
「コミュニケーションそのものを治療として考える医学」であるコミュニケーション医学を広めるべく講座などを開催しておられます。

医療者と患者さんの関係性やそこで交わされる言葉によって、患者さんの症状はよくなったり、悪くなったりすることは、多くの医療関係者が知っていることです。知ってはいるのでしょうが、薬や注射と同じような、いえ、時には薬をはるかに超える効果があることを知り、意識して使っている医療者はほとんどいないのではないでしょうか?

今回、黒丸先生のカウンセリングをクライアントとして体験させていただいたことで、心身症への心理療法(カウンセリング)の価値を再認識しました。

「言葉」が薬そのもの。「言葉の処方」

過去にいろんな流派のカウンセリングを受けてきましたが、黒丸式コミュニケーション(カウンセリング)は、その中でも特に、治療的、医療的だと感じました。
「言葉」が「薬」そのもので即効性があるのです。

30分のカウンセリングのうち最後の10分間は先生が話されました。
といっても、その話の内容は説明や説得、助言ではありません。
あくまでわたしが話したことを、こうですね、ああですね、とまとめ、確認されているだけなのですが、その言葉を聞いているうちに、わたしの意識状態が変化していきました。

最初は「はい」「ええ」と相槌を打っていたのですが、だんだん口が動かないような、軽い金縛りにあったような、といっても決して不快なものではなく、胸の深い部分があたたかく、心が軽く、解放されたような心地いい感覚になりました。

カウンセリングが終わった時には、「あれ? わたしはいったいなにがそんなに心配だったの?」ときょとんとした状態で、それまで100だと思っていた苦しみが10くらいに減りました。
まさに即効的。薬は薬でも内服薬ではなく注射や点滴のようにその場で効果があらわれます。

カウンセリング終了後、冷静になって振り返るとあの時のわたしは「催眠状態」になっていたのですね。
「催眠状態」というのは、表面的な意識が緩み、深い部分の意識(無意識)にアクセスしやすい状態のことです。

ああ、おのころ新平さんが、黒丸先生のことを「日本のミルトンエリクソンのような方」と紹介されていた意味が分かりました。
そういわれれば、この部分はイエスセットだし、こうかもしれない、ああかもしれない、○○したくなったらしてもいいししなくてもいい、という曖昧な言い方をするのもエリクソンの手法にあったような。

心理療法(カウンセリング)のススメ

ただでさえ心身症のカウンセリングができる人が少ないうえに、催眠的手法も扱うとなると、黒丸先生以外の人にこのカウンセリングをできる方がいるのかしら? とも思いますが、意識して学べば、ある程度は身につくでしょう。少なくともわたしはこの機会に学びしっかりと身に着けますとも。

というわけで、まず自分の身体の様々な症状が心からくる「心身症」だと気がついている方、病院に通院しているけれどもよくならない方、心理療法(カウンセリング)という選択肢があることを知ってください。

この記事を読んで、ぜひ学びたいと思った医療関係者さんは、1年に1度黒丸先生のセミナーがあります。

また、「コミュニケーション医学」を動画で学ぶ講座もあるようです。

そして、わたしも心理療法(カウンセリング)を行っています。
よかったらご活用くださいね。


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