鞄職人から塾講師へ

 鞄メーカーを退職後もっと給料を頂ける鞄メーカーを探しましたが、見つかるはずもなく塾講師で食いつなぐことにしました。

 中学生の英語を中心に担当させていただきました。学習塾の講師は目的がはっきりしているので私にはとてもやり易く、やりがいのある仕事でした。

 当たり前のことなのですが、実際に少人数の生徒さんを習熟度に合わせて教えるとういうことがどれだけ有効であるかを身を持って実感しました。生徒さんが理解した(腑に落ちた)瞬間を目の当たりにできるのは快感でした。

 また普段はふざけて生意気なことばかり言っている子たちが受験を前にした時に見せる不安げで真剣な表情には身を引き締められる思いがしました。

 合格発表が終わった後の生徒達をつれて中華料理屋さんで食事をしながらお祝いをしました。こんなことでも学校の教師には簡単にできないことなのです。

 受験生を二度送りだしたころ、コンビニで『ガテン』を立ち読みしていて、某有名ブランドで鞄の修理職人の募集の記事をみつけました。