テート美術館展―光
以前気になった展示にきのう行ってきた。
美術のことは正直よくわからない。すきな画家がいるわけでもないし、美術展に行くこと自体がなかった。でもこのテート美術館展はどこか惹かれるものを感じて、とうとう足を運ぶまでに至った。
当日、うまく眠れなくてそのせいで頭がぼんやりしたまま展示を観ることになってしまって、かなりもったいない体験をしてしまったなぁと反省。絵を見てもすなおな感想が「絵うまぁ……」ばかり。
それでも唯一印象に残ったのは、これまでアトリエにこもって絵を仕上げていた画家たちがいたなかで、スケッチから着色、完成まで屋外で行うようにしたという画家たちの描く絵だった(画家のなまえは忘れた)。
彼らの描く絵たちには生命の色がとくにつよく感じた、気がする。色の持つ生命力のつよさというか、量というか。うまく言えないし気のせいかもしれないけれど、鑑賞って本来そんな感じでいいものだとおもう。気のせいやそんな気がする、たぶん、みたいなあいまいなものを感じ取ったとして、それを叱咤されるものじゃない。と思いたい。それくらいの気楽さで芸術を楽しめるじぶんでいたい。
光は善と純粋。暗闇は破壊と悪。
展示が始まる前に掲示されていた説明文に載っていたそのことばが、ふしぎとつよくこころに残っている。
前回ポストカードを買ったターナーという画家の、いちばんすきだとおもった絵は展示で見られなかったのだけど(なかったと思う。見逃してなければ。もしかしたらあったのかも。頭がぼんやりしていておもいだせない)、展示されていた絵のなかでいちばんすきだと感じたものがポストカードになっていたので、今回はそれを買った。
ほかにも買った。展示にない作家のものも買った。家の壁がちいさな美術館になって、うれしい。
来年はもっと気楽に美術展とかの展示や舞台を観に行けるような身軽さと余裕を持っていたいな。読書とか映画とか、家で文化的な時間もいいけれど、美術館のような大きな場所で大きな絵を浴びるような体験は外に出なければ得られない。