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テキストが迷いの森になっている方へ

みなさんこんにちは。クラスマネージャーの黒澤です。

 今回は、勉強を始めて間もない方の可処分時間泥棒を一つ潰しておこうかと思います。よく質問制度を通してお見かけする内容ですから、初学者の方は早めに対策をしておくといいかと思われます。

 よく、講義等で「問題を解いたらテキストに戻って知識の確認をしてください」という指導を受けることがあるかと思います。そして、この指導に従って、過去問を解いた後にテキストに戻ろうとして、調べたい知識を「どこにあるんだ?」と延々と探した結果、何も見つからず、時間を失った一方、残ったのは一抹の空しさだけという経験がないでしょうか?

 要するに、「テキストの中で迷子」になってしまうということです。

 過去問を解いていて1問解くのに20分~30分かかってしまう等の悩みを持っている方は、この「探す時間」にかなりの可処分時間を奪われているケースが多いです。そして、これが多くの初学者の方にとってこれが学習ストレスになっているようです。

 勉強を始めて間もない頃というのは、自分の使っているテキストをそこまで使い込んでいるわけではないです。よって、「どこに何が書いてあるか」ということが分かることに関しての経験値が足りません。また、入門段階ではその学習対象の法律に関して勉強し始めたばかりで、その法律の構造自体がまだ頭の中に入っていないため、自分が検索したい知識がその法律のどのあたりにあるのかという検索基準がない状態です。よって、どこにあるのかということについて「あたり」がつかないわけです。

 確かに、学習が進むにつれ徐々に検索スピードも上がってきます。しかし、それは「先」の話であって、「今」かなりのストレスになるかと思います。また、探している時間はそもそも「勉強をしている」とは言い難いので、早めにこれには対処したほうがいいです。特に、時間がない兼業受験の方にとっては死活問題になりかねない事項かと思われます。

 そこで、これについての対処法を2つお伝えしておこうかと思います。

 対処法の1つ目としては、過去問→テキストというルートではなく、テキスト→過去問というルートで学習をするのが良いです。具体的には、テキストには過去問の出題履歴がテキストの欄外に記載されていると思いますが、それを頼りに過去問に飛んでください。こちらのルートで学習すると知識のほうから問題に飛ぶわけですから、「知識を探す時間」に時間がかかりません。よって、勉強を始めて間もない方であってもスムーズに時間を使いすぎず過去問学習ができるかと思われます。勉強を始めて間がない方でテキストの知識検索に「慣れ」がなくてもできるので取組みやすいです。テキストに出ている知識がどのように問題化されているのかをガンガン確認していくといった感じで勉強ができます。

 対処法の2つ目としては、問題で解いたすべての知識についてわざわざ几帳面にテキストに戻る必要はなく、メリハリをつけるということです。具体的には、正解した肢であって根拠まで完全に分かる肢については当然ですが、問題の解説を読めば済むものはそれで済ますなど最低限の作業で済むものはそれで済ませるということです。そして、テキストに戻るのは解説を読んでも分からない等の場合に絞るわけです。司法書士試験は学習しなくてはいけない知識の量が膨大なので、できないことに時間をかけて、できることには時間をかけないといった風なメリハリ付けを意識することが大切です。よく勉強方法のアドバイス等で「完璧主義はよくない」だとか「いい意味でいい加減であることが大切」といわれることがありますが、具体的にはこういった部分でそのような完璧主義の排除やいい意味でのいい加減さを発揮していくといいです。

 無駄な時間というのは1日1日の学習単位、1回の勉強単位で見ていけば大したものではありませんが、これが本試験に向けての1年間の学習単位で見ていくととんでもない時間を無駄にしていたことになり、「負の」チリツモ効果になってしまうことがあります。ですから、学習の初期段階から無駄になることは潰しておき、使える時間が増えていくといった好循環を作っておくことが大切です。やはり、増やすのでしたら勉強時間もマイナスの借金ではなく、他のことに使えるプラスの貯金のほうです。


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