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直近の法改正のまとめ(令和5年度の本試験の出題範囲となる主な改正)

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の高橋智宏です。

今回は令和5年度の本試験の出題範囲となる主な法改正を記事にしてまとめました。法改正の全体像の把握にお役立ていただければ幸いです(2022年7月4日更新)。

・試験対策上、特に押さえておくべき主要な法改正を記載しています。
・基本的に、影響する本試験の年度の順に記載しています。
・改正の規模感を「大・中・小」で、試験対策上の重要度を「A・B・C」で記しています。


【1】令和3年度民法(物権法)改正

改正の概要

今回の改正は,所有者不明土地が社会問題となっていることから,その発生を抑制すること及びその利用を促進することを目的として動き出したものです。主に「所有者不明土地の発生予防」と「既に発生している所有者不明土地の利用の円滑化」の双方の観点から,総合的に規定の見直しをしています。

主な改正項目

①「相隣関係」に関する改正
②「共有」に関する改正
③「所有者不明土地管理命令等」の制度創設
④「相続財産の管理」に関する改正
⑤「相続人の不存在」に関する改正
⑥「遺産分割」に関する改正

参考資料

【2】令和3年度不動産登記法改正(令和5年4月1日施行分)

改正の概要

今回の不動産登記法の改正は,令和3年度民法改正と同じく,所有者不明土地が社会問題となっていることから,その発生を抑制することを発端として動き出したものです。

上記の不動産登記法の改正では「相続登記の義務付け」といった影響力の大きな項目が盛り込まれていますが,当該項目の改正の施行日は「令和6年4月1日」であるため、当該項目が試験範囲となるのは令和6年度本試験からとなります。

主な改正項目

①「遺贈による所有権移転の登記」に関する改正
②「登記義務者の所在が知れない場合等における登記手続」に関する改正
③「登記簿の附属書類の閲覧制度」に関する改正

参考資料

【3】令和元年度会社法改正(令和4年9月1日施行分)

改正の概要

令和元年改正会社法(及び商業登記法等)の改正事項のうち、すでに施行された事項を除く事項が、新たに令和5年度の本試験の出題範囲内となります。

主な改正項目

① 「株主総会資料の電子提供制度」の制度創設
②「 会社の支店の所在地における登記」の制度廃止

参考資料

【4】令和4年度商業登記規則改正

改正の概要

令和元年の会社法改正の法制審議会会社法制部会において、代表者の住所の表示に関する附帯決議が採択されました。今回の改正は、これを踏まえ、個人情報の保護等の観点から、商業登記規則について、所要の改正を行うものです。このほか、商業登記簿における旧氏の併記に関する見直しもされています。

主な改正項目

① 「登記事項証明書における会社代表者等の住所の非表示」の制度創設
②「登記情報提供サービスにおける会社代表者の住所の非表示
③「役員等の氏の記録に関する申出」の見直し

参考資料

【5】令和4年度供託規則改正

改正の概要

今回の供託規則の改正では,主に供託手続の簡素化による利用者の負担軽減,利用者の利便性の向上を図るための改正が行われています。

主な改正項目

①「簡易確認手続」に関する改正
②「印鑑証明書の添付省略」に関する改正
③「支払証明書の添付」に関する改正

参考資料


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