いとバイ通信33 哲学者ヤスパース3

いとバイ通信33  哲学者ヤスパース  3

精神病理学者から哲学者へ

2020.6.30(火)

ヤスパースは精神病理学総論を出しました。これは今でも読まれている名著です。この次の大著が「世界観の心理学」でした。ヤスパース研究者の重田英世先生によればこの「世界観の心理学」こそ世界の実存哲学の最初の著書であると言われます。他の学者はハイデッガーの「存在と時間」をあげる学者が多いのです。世界観の心理学は書名が心理学となっているため哲学ではなく心理学に分類する学者が多かったのではと重田先生は語られています。

世界観の心理学とはどんな内容なのでしょうか。これはヤスパースが考える歴史上の偉大な哲学者たちばかりの世界観を集め比較したものでした。偉大な哲学者たちですから自らの心理を究極(実存)まで深く洞察しています。その洞察を集めて分類することによって各哲学者の実存の傾向を明らかにしていったのです。

偉大な哲学者たちですからそれぞれの実存が露わになっていました。その実存は一人一人特徴がありました。この特徴は表面的なものではなくとことん考え抜かれたその人の実存に限りなく近かったのですが、その内容は決して同じものはなくそれぞれ究極の個性がありました。

凡人である私たちもとことん考え抜くとこれ以上変化しない究極の個性というところまで極めることができます。この究極の個性のことを己の「実存」と呼ぶことができるのだろうと考えているのではないかと私は理解しています。このような実存になると究極とも言える個性が現れます。

ヤスパースはハイデルベルク大学の心理学教授でした。同大学には著名な社会学者のマックスウェーバーがいました。ウェーバーのところでは著名な学者たちの集まりが催されていました。ヤスパースもそのメンバーの一人でした。

社会学ではカールマルクスと対比研究される学者がマックスウェーバーです。彼は1920年6月14日に56歳で亡くなります。マックスウェーバーについてヤスパースは2つの論文を著わしました。2つ目の論文は同年7月17日ハイデルベルク大学学生主催の追悼会でヤスパースが記念講演を行った時のものでこの2つの論文が「マックスウェーバー」と題した本になりました。

マックスウェーバーは社会学者ですがヤスパースにとっては同時に哲学者と思えていました。マックスウェーバーが亡くなっていよいよ哲学者がいなくなったと感じ、その時ヤスパース自身が哲学者になることを決心したのです。ヤスパースはハイデルベルク大学で哲学教授となりました。

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