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この美容師さん、前の美容師さんと言ってることが違うんだが…【美容師の価値観と教育①】

操作イトウです。
皆さんは、美容師さんにヘアスタイルのアドバイスを聞いている時に、こう思ったことはありませんか?
あれ?前に切ってもらった美容師さんと、全然言ってることが違うぞ?

もちろん、前回と今回でヘアスタイルが違えば、上手くできるコツも変わることはあります。
また、お客様に向けたアドバイスについては、どの業界でも多少の意見の食い違いはあるかと思いますが、美容業界では、それがお客様にとって“あるある”になる程、顕著です。

今回は、美容師さんによって意見が違うことについてのお話です。

美容師の価値観はどこで決まる?

料理のさしすせそ」のような、美容師さんが一律で唱える「セオリー」があればいいのですが、あっちとこっちで意見が違うと、アドバイスを受けたお客様は困ってしまいます。
これには、その美容師さんが受けた「教育」や、してきた「勉強」「経験」が深く関係しています。

美容師の価値観は、「育った美容室で教わった事」と「実践して得た経験則」、「外部の美容師さんから学ぶ」から選び取られていきます。

美容師はカットの仕方からして、全然違う

「育った美容室で教わった事」

美容師さんは、就職した美容室で技術を教わるため「教育を前提とした就活」をします。そして美容室側は、将来的に「美容室の売れ筋商品」になってもらうための教育をします。

そのためアシスタントとして勤める間に、その美容室にとっての「売り」や「独自性」、提供する「商品としての価値」など、教わる要素には「美容室の価値観」が大きく反映されます。
とりわけ直属の先輩からの影響は強く刷り込まれ、最も価値観の違いが出る部分です。

美容師には、必ず師弟関係と呼べる先輩がいる

「実践して得た経験則」

美容師の技術は、積み重ねた練習や実戦での経験から「こうした方が上手くいく」という“成功体験”、または「このやり方はしてはいけない」といった“失敗の体験”が大きく反映されます。

これは“先輩からの助言”よりも、“実体験による手触り感”の方が大きく反映されます。「このパターンで上手くいった」「同じ失敗は絶対しない」という体験が、経験値として刷り込まれています。
そのため、経験値の薄い若手の美容師さんは大なり小なり失敗しやすく、その経験をもとに成長しているのです。

どの美容師さんにも、取り返しのつかない失敗談がある

「外部の美容師さんから学ぶ」

美容師は“井の中の蛙”になりやすい形態です。そのため、積極的に外部の情報を取り入れる美容師さんも多いです。

例えば、現役の人気美容師さんが講師を勤める「講演会」や「実演会」が多く常に開かれています。
材料の仲介業者(ディーラー)が主催することが多く、「新商品の紹介や応用」「その美容師独自のテクニックの公開」「最新ヘアの作り方のコツ」「ステキな写真の撮り方」「ワンランク上の接客の仕方」に至るまで、美容師のニーズに合ったテーマで行われています。

また美容業界には、業界を専門に扱う出版社もあります。深く具体性のある書籍や、業界のトレンドを追っている専門誌など、沢山出版されています。

そして美容師も、SNSから情報を得ていることが多いです。
Instagramには、明らかに「美容師が、玄人に向けている投稿」も多く見られます。

美容師向けのセミナーのために、全国行脚する美容師さんもいる

国家資格でしょ?基本は専門学校で教わってるはず…

前述した項目を見ながら「とはいえ、専門学校で教わってるんじゃなくて?」と思った方もいるかもしれません。一般的には「セオリーは美容学校で教わってるんでしょ?」といった認識かもしれないですが、実はそうではありません。

国家試験の課題↑

専門学校では「国家試験の課題」を教わりますが、残念ながら試験課題と「リアルな現場で用いる技術、知識」は著しく乖離しているため、新卒生は事実上“ゼロからのスタート”になります。

そのため、「美容室での教育」は「レベルの底上げ」ではなく、「一から教える」に近いため、結果的に“基本のキ”から意見が食い違いやすいのです。

「試験課題」については、繰り返し触れています↓

美容師さんの意見は、どれも間違いではない

一律のセオリーが統一されないのは、それぞれの美容師に、確固たる「教育」「勉強」「経験」が成立しているからでもあります。先人の美容師さんたちが築いてきた方法論が多岐に渡っていて、それぞれに成熟している証拠です。

美容師さんの意見は、どれも間違いではありません。とはいえ、それでお客様側が困ってしまうのは考えものです。
僕自身も、それが成熟しているからといって、「伝える時には小難しくなってしまわないようにしたい」と思って投稿しています。

美容師の価値観については、まだまだ話したいことがあるので、折を見てお話します。



ではまた。

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