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リンスとコンディショナーとトリートメントの違いって何?【ヘアケアの大事な概念】

操作イトウです。

今回は、知ってるようで知らない、基本的なお話。
「リンス」と「コンディショナー」と「トリートメント」は、何が違うのか、について。

ちゃんと分かるように、解説します。

■「リンス」と「コンディショナー」は、一緒!?

端的に言うと、「リンス」と「コンディショナー」は、同じ製品です。

これらは髪の毛の表面をコーティングして、手触りをよくすることができます。また帯電防止の効果もあり、静電気を防いでくれます。

尚、リンスもコンディショナーも髪の毛の表面に付くだけなので、シャンプーをすると流れ落ちます。そして、シャワーで流しすぎると表面からなくなってしまうので、軽いぬるぬる感が残る程度に流しましょう。

▼同じものを、なんでわざわざ呼び分けるの?

では、なぜ「リンス」と「コンディショナー」を呼び分けるのか?
正確に言うと、呼び分けているのではなく、「リンス」のことを「コンディショナー」と呼ぶようになっただけです。

僕の記憶では、00年代の前後からリンスがコンディショナー に変わったように思います。その時期から、メーカー側が製品名を変えるようになったのです。

理由はおそらく、カッコいいからです。

「ランニングシャツ」が「タンクトップ」になったように、「スパッツ」が「レギンス」になったように、呼び名が変わるのは“ファッション業界あるある”によるものです。
呼び名が改まると、バージョンアップしたような印象やブラッシュアップされた感じがして、既にある物でもその時代にマッチするようになります。

つまり、「リンス」よりもカッコよく進化した印象として「コンディショナー 」とメーカーが呼ぶようになった、ということです。

■「トリートメント」は髪に浸透し、補修するもの

「トリートメント」は髪の毛の内部に浸透し、補修するものを指します。

髪の毛は、「海苔巻き」のような3層構造になっています。海苔(キューティクル)、シャリ(コルテックス)、(メデュラ)は、海苔で守られているのが健康な状態です。
しかし海苔がダメージを負って剥がれると、隙間からシャリと具は抜けていってしまい、髪の毛は弱ってしまいます。これを補修するのが、トリートメントです。

トリートメントは主に「コルテックスやメデュラに補修成分を注入する」効果と、「キューティクルを保護するようにコーティングする」効果があります。そのため、表面のコーティングだけのリンス・コンディショナーに対して、トリートメントは上位互換になります。

なので、例えばトリートメントの後にコンディショナーをする必要はありません。トリートメントにもコーティングする効果が備わっているので、シャンプーの後はどちらかを使えば大丈夫です。

■トリートメントって、どれをどう使えばイイの?

ドラッグストアやロフトのヘアケアコーナーを見ると、あれもトリートメント、これもトリートメント。どう使い分けるのかもよくわからないほど様々なトリートメントがあって、どれを手に取ればいいのかもよくわからないものです。

ただ、「どれを手に取ればいいのか問題」は、消費者側のリテラシーが足りないだけが理由ではありません。トリートメントの部類は呼び方が一緒で紛らわしく、消費者に伝わりにくい側面もあります。

そのため、トリートメントの使い方を間違えていることも少なくありません。そこで、代表的なトリートメントを挙げてみました。

▼お風呂で使う「トリートメント」

お風呂で使うトリートメントは、先述したリンス・コンディショナーの上位互換のことです。業界では「インバス(in-bath)トリートメント」という呼び名もありますが、ほぼ呼び分けることはありません。

コンディショナーの代わりとして毎日使うものが多いですが、「集中ヘアパック」などの高級ラインの場合、数日おきの使用が推奨されているものもあります。一回の効力が高い代わりに、これを毎日使うと「重たくなり過ぎてしまう」「髪がもったりしてしまう」などの悪影響があります。

▼乾かす前に使う「洗い流さないトリートメント」

「洗い流さないトリートメント」は、ドライヤーで乾かす前に付けることで、髪の内部に浸透してトリートメント効果が得られる、メイクの下地のようなイメージです。

セット力は無く、他のスタイリング剤と併用することもできます。乾くとベタつきもなくなり、自然な「艶感」がアップします。しっとりした手触り感の効果を感じやすく、トリートメントなので補修効果もあり、使い続ければダメージを軽減できます。

業界では「アウトバス(out-bath)トリートメント」と呼びますが、これも認知されていないため「洗い流さない」と文字数多めな呼び名がよく使われています。

▼▼洗い流さないトリートメントの注意点▼▼

「洗い流さないトリートメント」は、そのネーミングや形状から、使い方に誤解を受けやすい製品です。

1.お風呂で使うトリートメントコンディショナーとは別物です。そもそもの用途が違うため、どちらかをつければオッケー、というものではありません。

2.洗い流さないトリートメントはオイル状のものが多いのですが、「ヘアオイル」とは別物です。仮にヘアオイルを濡れた髪に付けて乾かそうとすると、油膜が邪魔していつまでも乾きません。

▼美容室でやる「システムトリートメント」

美容室で行うトリートメントを指します。美容師が施術する前提で作られていて、お家ではできないほどの数の薬剤を扱い、順番や工程、分量、髪質による選定などを守って初めて効果が発揮されます。髪質や時間、容量による変化が起きやすいので、知識や経験を必要とします。

自分でできないので手軽さに欠けますが、トリートメントとしての性能は最上位と言えるでしょう。業界では、順序に沿ってやるため「システムトリートメント」と呼びます。

■トリートメントは「補修」であって「修復」ではない【ヘアケアの大事な概念】

一般の方のトリートメントのリテラシーが足りないのは、製品のことだけではありません。大切なのは、「ヘアケア」の考え方です。

「傷んできたから、いいトリートメント使ってみよう」とするのは、ヘアケアとしての考え方が少し間違っています。これは、「スキンケア」の感覚と混同してしまっているからです。
スキンケアケアとヘアケアは、概念が少し違います。

▼「髪に栄養が行ってないのね」は間違い

髪の毛は、お肌のように古くなった部分がターンオーバーすることはありません。例えば、髪の毛に良いワカメをたくさん食べても、その栄養が行き渡って「毛先」が良くなることはありません。

そのため、傷んだ毛先を見て「髪に栄養が行ってないのね」と嘆いている場面がありますが、これは考え方としては間違っています。

「髪に栄養が行ってないのね」の考え方は、髪の中に血管のような管があって、毛根から栄養がつたってくるようなイメージだと思います。
だから栄養が渡った根元〜中間に反して、届かなかった毛先が傷んでしまっている、と考えている。

▼スキンケアとヘアケアは考え方が違う

髪の毛は「死んだ細胞」と呼ばれます。生えてきた髪の毛には、そもそも“自然治癒力”がありません。つまり、髪の毛は自分で回復することができないのです。

対してお肌は、古くなった皮膚から新しい皮膚に入れ替わることを繰り返しています。スキンケア用品を使うことでターンオーバーを促したりすることで状態が良くなりますが、髪の毛には同じような循環は期待できないのです。

スキンケアとは概念が違うので要注意

▼髪の毛はロケットえんぴつのように伸びる

髪の毛は、根元から生えています。一番健康な状態である“根元の毛”は、ロケットえんぴつの様に次第に“毛先”になります。そのため何年もかけて徐々に“毛先”になる段階で、外からの刺激を受け続けてダメージを負っていきます。

一番健康な根元の毛が、そのまま毛先にまで伸びれば、ダメージのない髪の毛になります。お肌の場合、古い部分は循環されていきますが、髪の毛は切らない限り古くなった髪が一番先端に鎮座し続けます。

このことからヘアケアは、「いかに髪を保護して生活を送れるか」が大事な概念になります。

■トリートメントは「万能薬」ではない

ワカメを食べて良くなるのは、髪の「毛先」ではなく「根元から生えてきた毛」になります。つまり、食べ物やサプリメントなどで即効性のあるものは無いのです。

加えて、髪の毛は「補修」したトリートメント成分を保っておくことができません。髪の中に入ったトリートメント成分は、中で定着することなく、徐々に抜けていってしまうのです。
これは、システムトリートメントであっても同様です。どんなトリートメントも、「髪の毛の中にずっと定着する」ということはできません。

つまりトリートメントの機能は、傷みをカバーする「補修」であって、元通りに治す「修復」ではないのです。

トリートメントは、超回復する「万能薬」ではありません。
このことから、「傷んでるから、いいトリートメント使ってみよう」とするより、「傷まないためのアプローチ」の方が重要なのです。


ではまた。

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