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リアルとリンクする映画「コンテイジョン」

先週水曜夜の都知事の会見から、東京の様子は一変した。

MCF(勤務先:メディアコンテンツファクトリー)の東京オフィスは、都知事会見の翌日、木曜にリモートワークを決定したので、身の回りを片付け、業務に支障がないようにあれこれと詰め込んだ大荷物を抱えて、自宅の最寄駅に着いたのは20時頃。スーパーに寄ってはみたが、人は溢れているのに、陳列棚にはほとんど何もなく、呆然とした。

金曜の夜には、住宅街の中の大きめのスーパーには、ある程度の物が揃っていてホッとしたけれど、ドラッグストアでトイレットペーパーの入荷がないことにクレームを入れているご婦人を見かけ、店員さんを責めてもしょうがないでしょ、って、心がささくれ立つ。

土曜は夏日まで気温が上がり、日曜は雪が降る。

このまま東京はロックダウンしてしまうんだろうか、とぼんやり思いながら、Netflixで見た映画が個人的にとても衝撃だったので紹介したい。

コンテイジョンは、2011年に公開されたアメリカの映画。
タイトルになっているContagionは「感染」を意味している。

あらすじは以下のとおり。(ネタバレ注意)

香港旅行から帰ってきたアメリカ人女性が、体調を崩したかと思ったら、けいれんを起こして死んでしまう。その息子も、同様に死んでしまう。
少しずつ感染が拡がり、やがて世界中で感染が爆発。政府による情報提供の遅れから、デマが拡散し、スーパーでは買い占めが起こり、薬局には効くと噂された薬を求め人が殺到。強奪が起こる。そして、都市封鎖。

医療現場では、診療にあたった医師の感染が相次ぎ、さらに医師自ら、治験に参加し、ワクチンを開発。医師の誘拐が起こり、身代金の代わりにワクチンが要求される。やがてワクチンが開発されるが、接種の順番はくじ引きで決められ、受けられるまで、運が悪いと1年近く自宅から出られない。

目に見えないウイルスが、たとえば咳やくしゃみ、電車やバスのつり革、エレベーターのような密閉された空間、料理、手から手に渡されるものなどを描写することで、人から人にうつっていく様子が妙にリアルだった。

そして、少しずつ感染が広がって、デマが拡散され、買い占めが起こる様子が、まさに今の日本に重なり、そのあとに続く都市封鎖や医療崩壊、ワクチン開発が、これからはじまる未来のように見えて、背中がぞっとした。


どうすればその未来は避けられるのか。どこが分岐点になるのか。

今、東京で、日本で、世界で起きていることがあまりイメージできていない人にこそ見てほしい映画。今だからこその興味深さ。

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