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にわかなのは、誰だ

 先日の土曜日、「アド街ック天国」で、「昭和の池袋」の特集を放送していた。文字通り、昭和から続いている池袋のお店の特集である。
 たまたま観て、興味がわいたので、翌日、その一軒、中華料理店、新珍味に出かけてみた。
 台湾では知らない人はいないほど有名な大物政治家の店なのだそうである。
 テレビで放送された翌日である。番組を観た、にわかがどっと押しかける。そんな混雑を予想したが、その期待はあっさりと裏切られた。
 店のドアをがらりとあけると、ぜんぜん混んでいない。常連さんが、淡々と食事をしているだけだった。
 さすが、昭和。インスタ映えのおしゃれ感とは無縁である、テレビ放送などとは、いまさら無縁である、と妙なところで感心してしまった。

 というか、考えてみれば(考えてみなくても)番組を観て、わざわざ店を訪れた私が、いちばんのにわかなのだった。

(写真はこの店の名物、ターローメンとチャーハン)


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