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おーいでてこい

 思い出したように、星新一さんのショートショートを読むことがある。相変わらず面白い。中学校のころ、さんざん読んだ。
 いま、中学校のころ、とさらりと書いたが、自分の小説は、子供向けのように取り扱われて、星さんは迷惑したらしい。と、最相葉月さん「星新一一〇〇一話をつくった人」に書いてある。
 大人の読者が、自分たちの読み物として取り扱ってくれなくなったそうである。
 本は売れるが、評価はされない。
 確かに作家にとって、この状態は、困ったことだったろう。

 それはともかく、有名な作品「おーいでてこい」(1958)
 (以下、ネタバレを含みます)

 台風の後、くずれた社に穴があいていた。人間は、その穴に、悪いものを捨てていく。たとえば「原子炉のカス」。
 この小説のラスト、それらが空から落ちてくる。

 この小説が書かれた時代から、私たちはぜんぜん変っていない。現在も、同じことを繰り返している。しかも、それらが空から、私たちの頭上めがけて落ちてくる、その恐怖は、増すばかりではないか。

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