介護保険って恥ずかしい?
今日は医療機関で退院支援をしていた頃のお話を。
1.介護保険のイメージ
みなさんは『介護保険』と聞くと、真っ先にどのようなイメージを抱きますか?
高齢者が使うもの、まだまだ自分には関係のないもの、なんだかよくわからないもの、ヘルパーさんにオムツを替えてもらうもの…?
ご年齢にもよるし、普段の生活に関わってくるかこないかでも変わってくるものだと思います。
介護保険制度は65歳以上の方で、”介護保険を利用したほうが良いですね”と認定された方であれば、どなたでも利用できる制度です。(65歳以下でも介護保険制度内で定められた特定疾患をお持ちの方で、認定を受ければ利用ができます)
そういう制度なのです、が。
2.退院支援で苦労したこと
医療機関で退院支援をしていた頃、とても大変だったこと。
それはこの1で記した”介護保険のイメージ”が強すぎて、利用に踏み切れない方がとても多いということです。
例えば、70歳くらいの方であれば、とてもお元気でまだお仕事されている方も多くいらっしゃいますね。それでも骨折などのけがをしてしまい、生活に何らかの不自由が生じてしまった、という方って結構多かったのです(医療機関ですから当たり前ですが)。
介護保険内で利用できる福祉用具レンタルなども、『介護』という言葉があるために、「自分にはまだ早いからいいよ」「何とか生活できると思うよ」と、申請にまで至らないケースというのは多かったです。
ソーシャルワーカーとして、介護保険イコール直接介護を受けるわけではないことや、予防のために利用できること、いらなくなったらレンタルをやめることも可能なことをご説明しても、「いやいや、いいよ」とお断りされてしまい、不安を抱えたまま退院していく姿を見守る、そんなことがたくさんありました。
3.それでも生活は続く
生活と一言で言っても、食事や就寝、だけではなく、入浴、排泄、買い物、掃除、洗濯など、一か所では済まないことが毎日、24時間続くものです。
その時、玄関の上がり框からお風呂まで、危険な場所というのはたくさんあります。骨折箇所の痛みが消えないまま退院になってしまっても、最後の入浴も看護助手さんにお手伝いして入っていたとしても、退院後の家での生活は続いていくのです。
退院支援に関わる看護師やリハビリスタッフ、ソーシャルワーカーは、患者さんの現在のADL(どこまで体を動かせるのか、何ができて何ができないのかの指標になるもの)を把握しているため、必要そうと判断すれば介護保険の申請と福祉用具レンタルもおすすめします。
4.ぬぐい切れぬ”次のステージ感”
それでもダメなものはダメなんですね~…くぅ…
いや、分かります。私も自分の両親が介護保険利用という状態になったら、なんだか”次のステージ”に進んだ感じはありますもの。
しかし。介護保険制度というものは、健康を維持するため、予防を目的とされている制度です。つまるところ、これ以上、身体機能が悪くならないように利用するサービスです。
利用すること=”身体が衰えた”わけではないのです。むしろ、その状態を維持。キープするためのものです。
本当ならばぜひぜひ利用してほしい!し!わからないことがあれば地域にある地域包括支援センターに相談していただきたい!
これからどんどん進んでいく我が国の高齢化。
ソーシャルワーカーとしてどんどん発信していこうと思います。
介護保険は現状維持していくための、予防のための制度であることを…!
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