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5月15日、20年ぶりにシンガポールの指導者交代|CNA 2024.04.16

この写真の人物が次のシンガポールの指導者、ローレンス・ウォン副首相(51歳)

シンガポール:昨年11月の人民行動党(PAP)大会で、ローレンス・ウォン副首相は「私は次の任務に取り組む準備ができている」と満面の笑みで宣言した。20年間にわたりシンガポールの指導者の座にあったリー・シェンロン首相(初代首相の長男)から5月15日の宣誓式のあと指導部を引き継ぐ。

財務大臣でもあるウォンは、リー氏が上級大臣として閣僚に留まることに同意したことを嬉しく思うと述べた。新内閣の組閣は、2025年11月までに実施される選挙後に行われる可能性が高い。

ローレンス・ウォンは、2011年にウエストコーストGRCの議員に選出され政界入りした。2014年には文化・コミュニティ・青年省の大臣に就任した。2020年、新型コロナ感染症対策特別委員会の共同議長となり、保険大臣とともにパンデミック対策の先頭に立って指揮し注目を浴びた。

その後、教育大臣から重要ポストの財務大臣となり、次期首相の最有力候補となる。年齢を理由に疑問視する声もあったが、2022年4月、PAPの第四世代チームのリーダーに任命され、内閣改造では副首相となった。

現首相のリー・シェンロンは、1952年、初代首相リー・クアンユーの長男として生まれ、軍の奨学金でケンブリッジ大学トリニティカレッジを卒業。アメリカ陸軍幕僚大学、ハーバード大学ケネディスクール、軍統合幕僚長と軍人としてのエリート街道をまい進してきた。1984年、国会議員に当選。2004年、ゴー・チョクトンから首相の座を受け継いだ。

それに比べて右側の人物を知る日本人はあまり多くない。ウォンは14年間の公務員を経て政界入りした。1997年、通商産業省に入省し、財務省、保健省へ。2005年に現首相の首席秘書官となり、その仕事ぶりが認められてエネルギー市場局長官に任命される。その2年後の総選挙で、選挙区の5人の候補のうちの最年少候補として当選した。

※現地紙ストレーツタイムズは、ウォンが年金受給資格を得る勤続15年に達する1年前に公務員を辞して政界入りしたと広く報じた。

彼はマリンパレードHDB(公共団地)のごく普通の家庭で育った。彼の父は中国、海南島出身で幼いころ家族とマレーシアに移民し、営業職に就職してシンガポールに移った。彼の母親は小学校の教師でウォンは母が教える学校を卒業した。ビクトリアジュニアカレッジを卒業して、アメリカに留学し、ウィスコンシン大学マディソン校で経済学、ミシガン大学アナーバー校で経済学の修士号を得た。公務員時代にハーバード大学ケネディスクールにも留学している。

ウォンは音楽好きで知られ、8歳の時に父からギターをもらい図書館で借りた教則本で独習した。米国留学中もギターを持参し、リラックスしたいときに役立てたという。

 ウォンは「私は謙虚さと深い義務感を持ってこの責任を引き受けます。この事業に全力を尽くすことを誓う」と約1分半のビデオで述べた。

シンガポール国民に対し、アイデア、情熱、夢を共有し、協力して前進するよう呼び掛けた。

「私たちは力を合わせれば、すべてのシンガポール人にとって明るく輝く未来を築くことができます。」と述べ、

この国の共通のビジョンを追求することへの信頼、支援、そして継続的な信念を求めた。

またウォンは「人種、言語、宗教を超えて一つの国民が団結し、正義と平等に基づく民主社会を構築する」、「一つのチームシンガポールとして前進し、シンガポール物語の次の章を一緒に書きましょう」と語りかけスピーチを締めくくった。

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