伸脚ストレッチを考える

体育や一般的なストレッチとしてよく行われる伸脚。

浅いバージョンと深いバージョンもありますよね。

今回は、自分の思考の整理のために、伸脚について、考えていきます。


<伸脚>

https://www.nittai.ac.jp/department/gymnastics/gymnastics_words.htmlより

“ 伸脚” とは、脚を伸ばしている状態のことを言います。つまり、気をつけの姿勢で直立している時の脚の状態や長座姿勢にて脚を伸ばしている状態のことになります。
 準備運動のなかで、通称“ しんきゃく” と呼ばれている運動は、「片脚を曲げながら、もう一方の脚の伸脚を行いましょう」といった表現になります。正しくは「開脚交互屈伸運動」と言います。

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一般的に行われている伸脚は、「開脚交互屈伸運動」と言う名前なんですね。(初耳です。笑)


<伸脚を行う順序>

浅いバージョンの伸脚を行うときの、順序としては、

・まず、足を肩幅より広めに開く

・重心を左右どちらか一方へ移動させ、移動させた側の股関節・膝関節を軽度屈曲

・重心を移動させていない方の脚は、つま先を立てる時もある。

・結果として、重心移動していない方の脚の、大腿の内側にストレッチがかかる

といった感じでしょうか。


深いバージョンになると、ほぼ順序は同じですが、

・股関節と膝関節の屈曲角度、足関節の背屈角度が増大する

・左右への重心移動の距離が長くなり、また上下方向への移動も長くなる。

・結果として、浅いバージョンよりも大腿内側へかかるストレッチは大きくなる。


<伸脚の構造>

ということで、理想とする形は、浅いバージョン・深いバージョンともにイメージできたので、

深いバージョンをイメージしながら要素を分解して整理していきます。


重心移動」

・左右へ足部までの移動(横移動)と、上下の移動が組み合わさる

・最終的なポーズのところでは、前後方向への移動というより足部内に重心をキープする。(なるべく身体を前に倒したり、前後の移動はしないように)

(下肢関節の屈曲角度が増大するので、可動性がないと後方へと重心移動しやすい)


「力を発揮する方向と仕事部位」

伸脚ポーズを取るときは

・肩幅より広めに脚を開いた立位姿勢から、下方への落下(位置エネルギー)を利用して運動エネルギーを生み出す。

・仕事部位としては、落下エネルギーのコントロールをする、下肢の3関節(股関節・膝関節・足関節)

・伸脚後の、前後の重心のコントロールとして、下肢3関節と連動した脊柱のコントロール、上肢(肩甲骨)も含む


「パワーの発揮パターン」

・立位の状態から、落下エネルギーを股関節内転筋群の遠心性収縮でコントロールするのが最終的な仕事部位。

・軸足となる側の脚は、落下しながら屈曲角度が増大するため、完全に屈曲位を取るまでは、股関節や膝関節の伸展・屈曲筋の共同収縮、足関節・足趾に関しても同様に。筋の随意的な収縮により、タイミング・スピードをコントロール。

「下部メカニズム」:動きを生み出すメカニズム(物理学の側面)

・立位の状態から、深い伸脚に移行するため、高→低の位置エネルギー。

・深い伸脚から立位へ戻る際は、位置エネルギーが0となるため、股関節、膝関節の随意的な収縮が必要。(上下に反動をつける場合は、床半力を受けられる)


少しずつ、普段やっているトレーニングの分析をおこなっていきます。

伊藤申泰

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