切り取られた私の世界
最近、フォトスキャンという、現像された写真をまるでスキャンしたかのようにデータとして保存してくれるアプリを見つけた。それを使って家族写真を保存していたところ、ベランダの写真たちについ心惹かれた。
左:兄 右:兄と僕
僕。
ベランダはあそび場のひとつだった。
弟。
にんまりと花に水をやっている。小さい頃の弟は本当に表情が豊かだ。兄2人の子育てを経験して、のびのびと育てられたからかもしれない。全日本「かわいい」選手権大会には優に出られる。
しかし、その可愛さを差し引いても上の写真はほっこりする。それは何故だろうか。
この写真で大切なことはきっと、このベランダという世界を母が独り占めしていることなのだろう。大切なものを誰にも見せびらかすことのないような。
そして構図として、愛する我が子が自分の好きな花を愛でている。
「自分の好きな人が自分の好きなことを好きでいてくれる」こと、ここにひとつ確かな豊かさが感じられそうだ。
かつての母はどんな顔して弟を撮っていたのだろう?今の母に聞いてみると、このシーンをはっきりとは覚えていなかった。
レンズの裏側には、満面の笑みのかつての母が確かに存在しているように思えてならない。
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