見出し画像

【ブチ切れたゲーム】LA勝ち抜きにらめっこ合戦に、本当の勝者はいたのか?

 いやぁ、さすがにプロのゲームライターともなると、「ゲームにはブチ切れない」とか上手いこと理由をつけて、具体的なゲームタイトルを挙げるのを避けてきますよねぇ。ならば、メンバーの中で(たぶん)一番のベテランであるオレが、あえて実名を挙げて勝負しましょうか。

 といってもじつは、オレもブチ切れてるというほど怒っているわけでもなくて。いや、カチンと来ているというか、「それはアリなの!?」と思ってはいるものの、ブチ切れるまでには至っていないというのが正直なところで。

 ていうか、最初は『Until Dawn -惨劇の山荘-』の暗転規制について書こうと思って、今月のアタマぐらいには書き始める勢いだったんですよ。あれは正真正銘、人生で数少ないマジギレ案件の1つなので。

画像1

※画像は駿河屋の商品ページより転載。

 ただ、ちょうどその時にTwitterで、まさにこの『Until Dawn -惨劇の山荘-』の暗転規制を怒ることにツッコミを入れるツイートが流れてきて。それを見てなんだか気持ちが萎えちゃったんですよね。ツッコミが入ったからというよりは、そこまでポピュラーなネタならわざわざもう一回キレなくてもいいか、という感じで。

 とはいえ、CEROの規制がかかるグロ場面をまるごと暗転で済ませるあの雑なローカライズは、普通のゲームメーカーはもとより、ハード本体を発売しているプラットフォームホルダーにあるまじき酷いものだと思っているのは、ずっと変わりません。今のところ、他の同様な例を聞かないので、さすがにもう二度とないと信じたいですが……。

 さて、ここからが本題。オレが「それはアリなの!?」とプレイ中に思わず叫んでしまったのは、オープンワールドミステリーアドベンチャーの『L.A.ノワール』です。

画像2

※画像は駿河屋の商品ページより転載。画像とリンクがXbox 360版なのは、オレがプレイしたのが360版だからという理由だけで、他意はないです。

 『L.A.ノワール』は第二次世界大戦直後、1940年代後半のロサンゼルス市警の刑事となって、さまざまな犯罪を捜査していくという内容です。

 この題材に関してオレは、ジェイムズ・エルロイというミステリー作家の「LA四部作」と呼ばれている小説シリーズが大好きで。なので本作もかなり楽しみにしてプレイを始めたのですが……蓋を開けてみればエルロイの小説をパク……じゃなかった、エルロイの小説にかなりインスパイアされた内容になっていて。まぁそれはそれで、雰囲気のあるグラフィックもあいまって、別に悪いわけではないのですが。

 『L.A.ノワール』での事件捜査には、「尋問」というシステムが存在します。目撃者や容疑者に対して事件に関する質問をして、相手の返答を「信用する」か「疑う」か、それとも証拠を突きつけて「反証する」かを選ぶのです。この時、何を基準にして判断するかは、返答の内容もさることながら、相手が見せる表情や態度が重要になります。なかには露骨に目をそらすヤツもいるのですが、このリアクションが大抵は、かなり微妙なものでして……。なんというか、CGキャラを相手ににらめっこをしているような気分になってくるのです。

 捜査による証拠集めと尋問を繰り返して、最終的に犯人を逮捕すればその事件はクリアになるのですが、ぶっちゃけ尋問が上手くいかなくても、事件のクリア自体は可能です。ただし、尋問に正解した回数などによって、その事件の捜査が★の数で評価されることになります。

 以上が『L.A.ノワール』の事件捜査システムなのですが、問題は、このシステムと非常に噛み合わせの悪いストーリー展開が、物語の途中に差し込まれている点で。これを詳しく説明すると、当然ながらミステリー物のネタバレになるのですが……というわけで、続きは有料部分で。

ここから先は

742字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?