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【最近遊んだゲーム】『バンダースナッチ』と『火吹山の魔法使い』

 このnoteを書いている今は、2021年3月7日。そして明日3月8日は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開日です。

 知っている人もいるかもしれませんが、じつはオレは、『エヴァ』とは奇妙な因縁がありまして。この作品が25年以上を経て完結を迎えるというのは、いろいろと感慨深いものがあります。明日は朝イチの上映回を予約していますが……さて、どうなることやら。

 それはともかく本題です。ここしばらくは仕事の原稿を書きつつ、前回このnoteで公開した記事を書くために、Netflixのインタラクティブ作品をいくつか「プレイ」していました。なので、普通のゲームはほとんどプレイできていないのです。セールで安くなったゲームをちょこちょこと買ったりはしているのですが、すっかりデジタル積みゲーの状態で……。

 なので、ちょっと反則気味かなとは思うのですが、Netflixのインタラクティブ作品『ブラック・ミラー: バンダースナッチ』の、前回の記事では触れられなかった作品にまつわる周辺情報について、補足的な記事を書くことにしました。前回の記事でも少し触れたのですが、『バンダースナッチ』の物語は1984年のイギリスにおけるビデオゲーム開発が背景にあり、ゲーマーのみなさんにとってもなかなか興味深い内容になっているのです。

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 なかでも筆者が「おぉ!」と思ったのは、物語の主人公が分厚いペーパーバックの「ゲームブック」をビデオゲーム化する、というところで。このゲームブックのタイトルが、本編のサブタイトルになっている『バンダースナッチ』なのです。

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 じつは1980年代前半のイギリスでは、日本でも出版されたゲームブック「ファイティング・ファンタジー」シリーズが大ヒットしていました。『バンダースナッチ』の物語は、80年代イギリスのゲームカルチャーを表現するのに、このトピックを利用しているというわけです。

 しかしこの「ファイティング・ファンタジー」シリーズの大ヒット、なかでもその第1作である『火吹山の魔法使い』の作者イアン・リビングストン氏の存在は、イギリスだけでなく世界のゲーム業界に、非常に大きな影響を与えています。以下の有料部分では、そのあたりの話をまとめて語ってみましょう。

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▲1984年に社会思想社の現代教養文庫より刊行された、邦訳版『火吹山の魔法使い』の表紙。画像は駿河屋の商品ページより引用。 

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