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「ものづくりを孤独にさせない」

京都リサーチパーク主催のレクチャーで「産地の未来、工芸の未来」というテーマのもと、永田宙郷さん(合同会社ててて協働組合共同代表)と一緒に(宮浦が)登壇させてもらった。

参加してくれた玉井さん(京都市立芸大在学生)が感想文を寄せてくれたので、当日の様子のレポートとして転載させていただきたい。

このnoteの寄稿vol.1とも言える。
以下、玉井さんより

正直な感想は、話がより深くなりそうなところで時間になってしまった。もっと二人の話を聞きたい!というものです。お二人は専門が絶妙に重なっているため、共通の知り合いについての話や説明の補足、推測の議論などが後半になるにつれ聞くことができ、とても良い対談になりそうだと思いました。
特に深く聞きたいなと思った内容は、後半に出てきた、「手工芸・工業品・美術工芸」の関係性の話です。(一概には言えないと思いますが)宮浦さんの扱うテキスタイルと永田さんの扱う工芸品では、販売の対象に違いがあるとともに、中量生産の「中量」の量や、その見極め方も変わってくるように思います。それらと、序盤で宮浦さんがお話しされていた、「問屋はなぜ生まれたのか?」というお話や小売店のシステムについても関係があるような気がしているのですが、私にはそれらを繋げる知識や経験がないため、もっと深くお二人が話しているのを聞きたかったです。

内容については、これまでなんとなく肌で感じていた世の中の流れや違和感が、二人の言葉と行動により、形を与えられ腑に落ちていくという印象があり、学生の私にとっては、なるほどと思える内容ばかりでした。実際に産地の中で働いている職人の方などにとっては、今後についての問題提起の形になっていたのかな、と思うと、参加者の皆さんの意見や感想にも興味が湧きました。
 全体を通して印象に残っているのは、永田さんがててて往来市の説明の際に用いられた「ものづくりを孤独にさせない」という言葉です。お二人の活動の共通項はこの一言に表されていると思います。工芸工房の情報がタウンワークにしか載っていないという話もありましたが、私自身、学部時代は九州の大学で染織を勉強していながら、地域の繊維産業について学ぶ手がかりをほとんど見つけられずに関西に出てきてしまったため、事態の深刻さに実感を持って聞くことができました。

大学の中だけで工芸を学ぶことの意義について、悩むこともあったので、誰にでも開かれていて、繋がりを見つけられて、より専門性や具体性の高い知識を得られる場があることは、学生にとっても本当にありがたいことだと思います。大学は大学で学べることがありますが、美術やファッションなどの私塾も現れ始めた昨今、教育の形も変わって行くのだろうな、などとも考えました。

お二人の取り組みや、山梨のハタオリトラベルを経てのサイト開設などの具体例を聞くことで、現在の問題点を客観的に見つめ、ビジョンを持って行動することの大切さを意識しました。(この点はすぐにでも自分自身に活かせそうです)

後半は少し内容がそれたような気もしますが、以上が私の感想です。
ワクワクを含んだ「なるほど!」の多い勉強会をありがとうございました。

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