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「理解しきった」なんてことはない。

先日、産地の学校にどんなデザイナーが来て欲しいですか?と聞かれて。
というタイトルでnote更新したけど、今日のnoteはそれと少しリンクするところで。

産地に足を運ぶ、工場を訪ねる、職人さんと顔を合わせる、膝を突き合わせて話す。生産工程を理解する、工場の状況を理解する、思いを伝える、意見交換をする、そしてビジネスを重ねる。

こういった発注者と生産者とのダイレクトな関係をある程度積み重ねていくと、発注主の視点から、「その分野(工場の特性や工程)はもう分かったからその工場には(わざわざ)足を運ばない」となってしまう方がどうやらいるようで、(何も偉そうなことを言える立場ではないけど)むむむ?と立ち止まった。

時代背景的に原料、環境、経済、トレンド、(極論、法律も)が変化していて、訪問先の技術、設備、人員、(極論、経営状況も)が変化している。両者の信頼関係や熱量すら、日々変動している。ものづくりは、常に変化する要素に囲まれて、その中でパフォーマンスが上がるよう努力をするわけで、だからこそ常に学びアンテナをはって、目の前とさらには未来にまで意識を伸ばさないとならない。

本来ならば、時の変化とともに「学び続ける」状態が正しく、「もう分かった」なんてピリオド的な状況はなかなかこないと思う。それなのに20代、30代でまさか熟知した風になってしまっては、ここから先の伸び代がないのではと思ってしまう。聞いただけ・見ただけの情報のみで分かった気になってしまっている人は特にやばい。

「もうそれ知ってますよ」「あ、それねそれね」」「あー、それ聞きました」「噂で聞いたけど、〇〇なんでしょう」

と、デザイナーさんでもコンバーターさんでも工場さん側でも
こんな姿勢になってしまってる人は、アップデートを自分で止めてしまってる。

僕自身も、日々さまざまな工場に足を運び、年間で同じ工場に5回以上お邪魔することもある。このタイトル、この件は、本当に自戒を込めて。5年後、10年後、20年後も、1ミリもそんな姿勢になりたくないし、ならないでおくよう、今日の瞬間瞬間を力を込めて刻みたいと改めて思った。

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