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#8 推し、患者さん。

看護師たるもの、日々の通勤のストレス負荷が大きく
出勤したくなくなる日もあるのではないでしょうか。

もちろんわたしにもあります。
一度や二度ではありません。”多々”あります。
(自慢気にいうことじゃない)

そんなわたしの出勤モチベーションを高めているのはなにかって?
気になりますよね。(だれも聞いてない)

ではお答えしましょう。
まさに、「推し患者さん」です。

今回は、わたしの歴代!推し患者さんをご紹介していこうと思います。
ぜひ、お時間ありますそこのあなた!お時間ないそこのあなたも!
ここで出会ったが運命。ぜひ、一読していってくださいまし。

※こちらでご紹介させていただく方々はすべて偽名です。

エントリーNo1「リハビリ大好きおじいさん」

「渡鳥さん、どこ行かれるんですか?」
「ん?ちょっとリハビリに(^^)」

こういって渡鳥さんは、ほぼ2時間毎にリハビリをされます(自主的に)。
ADL(日常生活動作)低下予防にはとってもよいことなのですが、なんせこの方は90代の超後期高齢者。

歩くときなんてふらっふら。
(年齢の割には素晴らしく足腰がしっかりされているのですが…)
なんなら今回の入院で一度転倒されているような方。

一人で歩いていただくには要注意な方なのです。

そういった方には、看護師もしくは他職員にて転倒しないよう歩行時の見守りが必要となります。
(病院で最も起こりやすく防ぎたい事故は、患者さんの転倒です)

渡鳥さんの発言を聞いてわたしの内心は、
(まってまって、いつこけるか分からないから見守りが必要なんです。おひとりでは行かないで~!)

渡鳥さん、リハビリに熱心なのはいいですが
付き添いの声掛けをしていただけないのが難点。
毎度毎度、気付いたら廊下にでている状態なので
ついには離床センサーを付けるはめに、、、

(離床センサ―:患者さんが動いたとき、勝手にナースコールが鳴り動作を察知できるセンサー)

にこにこしててとっても愛らしいおじいちゃんなので、
厳しく怒るにも怒れず、、、

わたしがラウンド(各受け持ち患者さんをみてまわる)しているとき、廊下を歩いていてふと渡鳥さんの病室を確認。
すると案の状、車椅子で部屋の入口まででてきているのを発見。

急いで駆け寄り、「渡鳥さん、どこ行くんですか?」
渡鳥さん「ちょっとリハビリしようかとおもって(^^)」

いや、ええことやけど!!!
お願いだからこけないでね、、、(とほほ)

なんとも癒される「リハビリ大好きおじいちゃん」
でした。

エントリーNo.2 「コミュニティ大好きおじいちゃん」

丸刈りで全体的にも丸っこい、可愛らしフォルムのおじいちゃん。
通称、門田(もんた)さん。

この方は、なにかにつけてデイルーム(患者さんとご家族さんの面会場所として使用される場所。広くて窓が大きく、見晴らしがいい)へお散歩しにでかけます。

驚いたのは、夜勤のとき。
朝4時半だというのに門田さんはデイルームへ
てくてくお出かけ。

「朝早いですね」と声をかけると
にやっと笑って「暇やからな」と。
いや、だいぶと早朝ですわ。まだ寝る時間。

夜勤をするようになってつくづく感じますが、患者さんの朝はクソはやい。
5時起床が基本です。

(というのも、消灯が22時とかで
みなさんやることがないからと21時には寝ている方が大半ですから、当然っちゃ当然なのかもしれません)

門田さんの大好きなところは、なんとも可愛らしい笑顔とすぐにコミュニティができるコミュ力。
本当にお手本にしたい限りです。

門田さんがいると、気づけばデイルームには複数人の患者さんが集まり、“町内会”が始まるのです。
これが本当に面白い。

男性5人ほどで世間話から治療の話まで
中身があったりなかったり、、、
なんとも楽しそうにお話しされているのです。

朝方から日中、深夜に至るまで(22時消灯ギリギリまでお話しされているときもありました)
“町内会”が始まるのがわたしの楽しみでした。

(↑団欒をニヤニヤしてみているわたしの方が不審者)

コミュニティをみていて気づいたことは、
みなさん、仲良くなるのがすっごく早い。
昔の方はSNSなんてない時代なので、オフラインでの付き合いがすごくお上手なのです。

コミュ障のわたしからしたら、本当に尊敬でした。

やっぱり昔の方から学ぶことは多いなとつくづく感じます。

だいぶ話が逸れましたが、コミュニティ大好きおじいちゃんの門田さんでした。

エントリーNo.3 「デイルーム大好きおじいちゃん」

わたし「服部さん、どこ行かれるんですか?」
服部さん「ん?ちょっとデイルームまで^_^」

ニッコニコして、、、ほんと可愛いんだから。

さっきの門田さんと被るところはありますが、
この方もデイルームがお好きなおじいちゃん。
ことあるごとに暇をみつけては、デイルームへ駆け込みます。

(みなさんお気づきでしょうか。そうです。この方も“町内会”の一味です)

デイルームに行くことはまったくもって問題ありません。むしろ、ADL低下予防のためにも活発に動いていただくことは大歓迎です!

(歳を取れば取るほど、ちょっと動かないだけで筋力がものすごく低下してしまい、退院後には日常生活に介護が必要になってしまうことがあります。そうならないために、日中から動いていただくことが大切です)

ただ、服部さんの問題点は「認知症である」ということ。

この間は、勝手に一階の売店まで行ってしまい、(それだけならまだしも)おやつを買い食い(←この方は治療の関係で病院食しか食べてはいけなかった)、あげくに病棟への帰り方が分からなくなってしまったのです(つまり、迷子)。

他病棟へ行き、「わたしの部屋はどこですか?」
と聞いたことで帰ってくることができました。

本当に困ったものです。

だから、目を離せないのが現状。
なのにデイルームが大好きだから、すーぐデイルームへ行ってしまう。

本当に困ったおじいちゃんです。

ただ、ニコニコ笑顔で「デイルーム行ってきます」
と言われるもんだから、
「はーい、デイルームにおってくださいよ〜」と言うしかありません。

もう、可愛いって罪ですね。
わたしも将来は可愛く歳をとりたいと思うばかりです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
今回は病棟看護師ならではのエピソードトークをさせていただきました。

学びとは言い難いですが、息抜き程度にみていただけたら幸いです。
こんなおじいさん、おばあさんに癒されて仕事を頑張れているのがわたしのリアルです。

もちろん、可愛いだけじゃないのも事実です。
(ときにとんでもないおじいさん、おばあさんもいます)

どんなお仕事であっても、日常の中に楽しみをみつけていければ少しでも頑張る活力になるのではと思う日々であります。

お互いに息を抜きつつ、ふざけて笑いつつ
人生楽しんでまいりましょう!!!

ここまで目を通していただき、本当にありがとうございます。
大変嬉しく思います。
あなたの感想や見ていただけたという事実が
わたしの活力になります。

もっともっと文章を面白くかけるように練習して、
大切なことも伝えていける
そんなnoteにしていきたいと思っています。

ぜひ、応援していただけましたら
もっともっと頑張れちゃいます!!

そんなこんなで眠れない夜の
よき時間となりました。

あなたにもよき朝が訪れますように。
おやすみなさい。


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