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凄まじいスピードで懐いてくれた愛猫との出会い③

初対面から小1時間で懐いてくれた仔猫ちゃん。
この子にはたくさんの愛情を注ぐんだ!と意気込む傍ら、名前をどうしようかと悩んでいた。

猫を飼ったら、付けたい名前があった。
「コロ助」と名付けてコロちゃん、と呼びたかった。
由来はもちろんキテレツ大百科だ。藤子不二雄先生を尊敬するあまり、それしか考えていなかった。

しかし、この子には何だかしっくりこない…。
他にも、好きな映画や作品から「トム」や「ロン」、「ピーター」など色々候補を出してみたが、どれもイマイチ。

夫と一緒にぼんやり悩むこと約2日。
夜も更け、布団に入り電気を消してうとうとと夢の中へ。
夢と現実の狭間くらいの、あと一歩で意識が無くなりそうな時に、事件は起こった。

突然、どこから飛んで来たのか、仔猫が凄まじい勢いで隣で寝ている夫の身体に飛び乗って来たのだ。

「うわああ、びっくりした!」
「うわああ、何!」

うとうとしていたところに突然夫の叫び声が響き、思わず大きな声が出る。
そしてわたしたちの大きな声に更に驚いた仔猫が余計に暴れだす。

「び、びっくりした」
「怖い怖い」
「It並みにびっくりや…」

Itとは、ご存知の方も多いと思うが「It/イット “それ“が見えたら、終わり。」というホラー映画の事である。怖いピエロがしつこく追いかけてくる常軌を逸した作品なのだが、わたしはこの映画が大好きだ。ホラーは元々大好きでよく観るのだが、Itに関してはより強く魅力を感じていたのだ。
そしてこの時期、ちょうど夫と一緒にItを観て間もない頃だった。

「なあなあ、猫の名前“いっと“ってどうよ」

夫のその言葉に、一瞬沈黙が流れた。
しかし、思わずぶふっと吹き出してしまった。
変だから笑ったわけではなく、響きといい、何だか妙に似合っていたからだ。

「いいね。いっと君」
「いっくんとか、いっちゃんって呼べるやん」
「いい名前かも。いっちゃん」

こうして、我が家にやって来た小さくてふわふわな仔猫は、「いっと」という名前に決まったのだ。

この名前の由来を人に話すと、大体「なんじゃその由来」となるのだが、わたしは最高の名前だと思っている。珍しいし、特別感もあって良いじゃないか。なんかグローバルだし。

そんないっちゃんと暮らし始めて1年と数ヶ月が過ぎた。
すくすくと大きくなり、病気や怪我をすることもなく、元気いっぱいで過ごしている。この記事を書いている現在、年齢は1歳と半年を迎えた。

いっちゃんは初めて会った時と変わらず、甘えん坊で寂しがりだ。撫でられるのが大好きで、いつもすりすりと寄ってきてくれる。寒い日は一緒のお布団で寝てくれて、わたしが落ち込んでいる時には空気を読んで静かに傍に居てくれる。

いっちゃんを迎えて、猫に対するイメージも変わった。猫といえば自己中心なマイペースというイメージがあり、そういうところも良い!なんて思っていたが、実際はすごく空気も読むし心優しいし、人間のちょっとした言葉や反応なら感じ取って理解もしているような気がする。

もちろんそれぞれ猫ちゃんによって違いはあると思うが、色んな個性があって、知れば知るほど面白いし、愛おしいのだ。

そんな猫の魅力にすっかり取り憑かれてしまい、猫の沼にハマってしまった。
こんなに幸せなことはない。
こんなに幸せにしてもらっているんだから、わたしからはもっと幸せにしてあげなくては。

可愛い可愛いいっちゃんを撫でながら今日も想う。
時折嬉しそうに目を細めながらわたしを見つめる大きな瞳に、今日も胸は締め付けられる一方だ。

おわり

ここまで読んでいただきありがとうございました 𖥧𖥧
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よかったら遊びに来てください 𓃠 ⋆

ちなみに名前の候補だった「トム」はトムとジェリーから、
「ロン」はハリーポッター、「ピーター」はスパイダーマンからです。
結果として「いっと」も映画繋がりですね 𓎪 

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