うちの猫はせっかち
タイトル通り、うちの愛猫はせっかちだ。
自分の撫でてほしいタイミングで撫でてもらえないと噛むし、トイレをした後はすぐにお掃除の催促に来る。
少しでもタイミングがズレようものなら、猫の逆鱗に触れてしまう。
なので猫に激甘なわたしは、猫をお待たせする事が無いよう必死に様子を伺っている。奴隷だ。いや下僕だ。
そんなせっかちさも「可愛いなあ」なんて思ってしまうのだが、先日はもっと可愛い事件が起きた。
夜お風呂から上がり、寝る準備をしていると、目の前にはそわそわとしている愛猫。
「どうしたの?トイレ?ごはん?」と、返事があるわけではないが必死に喋りかけていると、猫は小さく「むぅん」と鳴いた。
むぅん、とはどういう感情なんだ。
よく分からないが、そろそろベッドに入ろうと寝室に向かうと、足に纏わり付きながら猫も付いてきた。
あ、いけない。充電器を忘れた。
進行方向を変えリビングに戻ろうとすると、先程まで足元に居た猫はその場から動かず、今度は「うううううん」といかにもご機嫌の悪そうな声を出したのだ。
やばい、また何か逆鱗に触れてしまったのだろうか。
ああ、これはまた噛み付きの刑だ…!
と絶望を感じていると、猫は先に寝室へと走っていってしまった。
後を追うと、わたしの布団の上でちょこんと座っている。
ベッドに腰掛けると、それはもう、めちゃくちゃ嬉しそうにすりすりしてくるのだ。
そうか、早く一緒にベッドで寝たかったんだな。だからずっとそわそわしていたのか。「はやくはやく」と急かしていたのだ。
「寝よっか」と声を掛けると掛け布団の上に飛び乗り、気の済むまでふみふみすると、小さな寝息を立てて寝てしまった。
かなりのワガママボーイだが、嬉しさを態度で示してくれるのは最高に嬉しい。
こうして下僕はさらに下僕らしくなっていくのだ。
…そういえば、充電器取ってきてないや。
今日も今日とて、うちの子のペースにとことん巻き込まれています。
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