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凄まじいスピードで懐いてくれた愛猫との出会い②

母の友人宅で仔猫が産まれた。

小さな小さな仔猫が、
[うちの子]になるまでの思い出の物語。



未だ仔猫の写真を見た事がなかった私。
今か今かと待ち構えていた。そして遂に、母から1枚の写真が送られてきたのだ…!

どぎまぎしながらLINEを開けば、そこにはふわふわの3匹の小さな仔猫が写っていた。

実際の写真 ☝︎

あまりの可愛さに、意識は宇宙まで飛んでいたと思う。
なんて可愛いんだ。こんなに可愛いものが、昨今の世の中に存在しただろうか。
全世界可愛い大賞があったら大優勝だ。審査員も腰を抜かすほどの可愛さだ。
声にならない声で夫に写真を見せた。

「か、かかか可愛いね、ちっちゃいね」
「わ、ちっちぇ」
「どうしよう、どの子にしよう」

1匹だけをお迎えする予定だったので、3匹の中から選ばなくてはならなかった。
しかし、写真を見た時点でもう決まっていたも同然だった。

手前ですやすやと眠る、くろい子。
ころんとしていて、ふわふわで、きゅっとしたお口。

満場一致で(2人だけど)くろい子に決まった。

そうと決まれば、仔猫を迎える為の準備を本格的にしなくてはならない。
猫用トイレ、キャットタワー、おもちゃ、キャリー、仔猫用のご飯、自動給水機、お皿、シャンプー、ブラシなど必要なものを近所のカイン◯ホームで買い揃えた。

お皿は何色がいいだろうか?男の子だし、ピンクより青がいいだろうか…。お、可愛い黄緑のお皿があるぞ。これにしよう。
そういや仔猫用のチュールも買わなければ。仲良しの証として早速あげたい。
身体が大きくなったら、大きなキャットタワーも買ってあげたいな。
わあ、なんだあのおもちゃは。動く魚のぬいぐるみ…?何だそれは。買ってあげたい。

あーだこーだ言いながら買い物は無事終了。
まずい、猫のためなら何でも買いたくなってしまう。
でも、こんなに幸せなことはないだろう。
子供が産まれるときも、きっとこんな感情なんだろうな、と思った。

そこから数週間。
いよいよ、仔猫を引き取る日がやってきた!

3匹のうち、くろい子は我が家に、しろい子は母の家、茶色の子は母の友人宅で育てることになった為、母の自宅で2匹を引き取る事となった。

夫は仕事だった為、わたしが責任を持って出向く事になった。
新品のキャリーケースを持って、ひっくり返りそうな心臓を抑えながら向かった。

母の家でそわそわしながら待っていると、数分後に友人の方がキャリーを持ってやって来た。
そのキャリーからは、か細くて小さい「にゃあ」という声が聞こえてきた。

わたしはあまりに興奮していた為、まだ見てもいないのに「うわああ、すっごく可愛いですね」と既に対面したかのような反応をしてしまい、変な汗をかいた。

キャリーを開けると、スマホに穴が開くほど写真で眺めたあの子達が、少し怯えながら、ゆっくりゆっくりと出てきた。

思っていたより小さくて、ふわふわで、何だか目の奥がじん、となった。

手を伸ばして触れようとすると、するんとわたしの手の隙間を抜けてベッドの下に隠れてしまった。
そりゃそうだ。いきなり知らない場所に連れてこられて、知らない人間が居て、とても怖いだろう。

2匹ともくっ付いたまま、隅で丸まっていた。
ちらっと覗き込むと、怖そうにこちらに視線を向けた。

これは仲良くなるまでにかなりの時間を要するだろう。
そもそも、母の自宅から自分の家まで連れて帰られるだろうか…。
出逢ってものの数分で大きな不安に包まれた。

ふと、幼い頃に志村動物園で観た動物の気持ちが分かる外国人女性の話を思い出した。
「猫にとって、ゆっくりとした瞬きはキスのような愛情表現だ」と話していた。

早速試してみた。
ゆっくり、ゆっくり瞬きをすると、手前に居たくろい子が反応してくれた。
遠慮がちにこちらを見つめながら、同じように何度かゆっくり瞬きをしてくれた。

その可愛らしい仕草に、わたしの意識は仔猫にしかいっていなかった。
気のせいかもしれないけれど、この時、何かが通じ合った気がしたのだ。

その後もカーテンの後ろに隠れたり家具の後ろに隠れたりしていたが、徐々に慣れてきたのか、おもちゃに戯れたり部屋を駆け回ったりするようになった。
身体にもちょっとずつ触れさせてもらえるように。

そして、床に座っているわたしのところへ、くろい子がやって来た。
手を伸ばしても嫌がらなかったので、思い切って抱っこをしてみることに。

…逃げない。
嫌がる様子もない。
なんなら、ちょっと眠そうにしている。

おでこを撫でれば、気持ちよさそうに目を閉じた。
…あれ、寝た?

いやいや、初対面の人間に抱っこされて眠る猫なんてさすがに居ないか。
しかし起きて逃げる気配は無い。
爆睡している…。

少し衝撃だったが、やはり先程の気持ちが通じ合った感覚は気のせいじゃなかったんだな、と確信した。
顎を撫でてみれば、ゴロゴロと喉を鳴らし始めた。可愛い。天使のようだ。

ふと、わたしの腕で寝ている仔猫を見た友人の方が驚いて「うちでは一度も抱っこで寝た事なかったのに!凄いね」と言った。


「いやあ、そんなそんな。眠かったんですかね。人懐こい子ですね」と口では言ったが、内心「そりゃあそうだ!さっき心が通じ合ったからね!へへ!」と自慢気だった。

この子は、今日からうちの家族なのだ。
よろしくね、という気持ちを込めてもう一度頭を撫でれば、仔猫は少し笑ったような気がした。

そして自宅に仔猫を連れて戻った。
本日二度目の知らない場所とあって、再び怖そうにキョロキョロとし始めた。
短時間で何度も環境が変わってしまった事に申し訳なさを感じながら、「猫ちゃん、ここがトイレだよ。これがお水。こっちはご飯。あっちは寝室ね」と、意味を成したかは分からないが口頭でのルームツアーを開催した。

時折不安そうに鳴く姿に泣きそうになったが、ふとこちらへやって来た仔猫が再びわたしの元へ擦り寄り、膝の上で丸くなった。

この子を幸せにするために頑張ろう。
たくさん愛情を注いであげよう。
改めてそう決心したのだった。

そしてその夜…早速ベッドで一緒に寝てくれて再び衝撃を受けたのだった。

③に続く、、、
(次回はお名前を決める編)

☝︎お家に帰って再び膝で寝てくれた時の写真

当時、いっちゃんは生後2ヶ月でした 𖥧𖥧

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