La Mode "Films"

Modeという概念が僕にとっては巨大すぎてよく分かっておりません。
Mのひと角目の補助線がようやく見えてきたくらいに思っています。
La Modeなんてタイトルを冠するのも憚(はばか)られるのですが、ファッションを知覚してから7年ちょっとの若者が、"Mode"を理解する上で避けては通れない映画だと思うものを紹介します。

"Yves Saint Laurent"

イヴ・サンローランはクリスチャン・ディオールに認められたことからファッションデザイナーとして注目され、生を受けます。
自分が見たのは3年以上前で記憶がおぼろげですが、生涯のパートナーであるピエール・ベルジェとの関係性がより色濃く出ていた作品だったと覚えています。後述のSAINT LAURENTと比べストーリー性がしっかりしていて、イヴ・サンローランという人物を理解したい方はこちらをお勧めします。

"SAINT LAURENT"

先述の作品と比べ若い年代に作られた作品です。出てくる俳優がすごくかっこいいです。僕がこの作品を見たときはあまり詳しくなかったのですが、映画に詳しい友人にこの映画の話をすると俳優陣の豪華さにすごく驚いていました。
全体的にスタイリッシュさがあって、イヴが落ちていくシーンがとても印象的でした。物語性や内容は賛否両論で中には酷評もありますが、個人的には見て損はない映画だと思います。みんなかっこいいし。

"Coco avan Chanel"

誰もが知るCHANELの創業者、ガブリエル・シャネルにまつわる映画です。
"アヴァン"というのは"前"という意味で、"ココ(ガブリエル)"が"シャネル"になる前、つまりフメゾンを立ち上げる前の、立ち上げるまでのココの話です。タイトルの付け方がとても洒落てますね。
僕はオドレイ・トトゥが好きなのですが、"アメリ"然り、僕の中のガブリエルのイメージがオドレイ・トトゥだったので、彼女がやるべき役だったのかなと思います。
ガブリエルは初めて男性社会に乗り込んだ女性だったと聞きました。
僕はこの映画に触発されて馬に乗りたくなりました。

"Dior and I"

急に近年の話になりました。知らない方のために紹介ですが、Raf Simonsという建築を元々学んでいたベルギー出身のデザイナーが、Christian Diorのクリエイティブ・ディレクターを務めたときのドキュメンタリーです。
Raf Simonsは近年のコレクションにおいてシーズンの3歩くらい先を歩いていて、簡単に言うならば新しい価値観を常に生み出しているデザイナーです。
初見は誰も理解ができなかったり、これ本当に良いのか?というものが垣間見えたりすることもあります。シーズンが過ぎてから、買っておけばよかった…と思うことが多いデザイナーです。僕はまだあまり持ってませんが…
まず、この映画のすごいところはラフ・シモンズの映画というところですね。ラフがこういった作品に出れるのはきっとChristian Diorサイドの厚い要望があったからではないでしょうか。自分が50歳とかになって、ラフ・シモンズのシグネイチャーブランドのドキュメンタリーなんかが出たら迷わず観ます。出ないとは思いますが。
最後の方にラフが泣いているのですが、新しいものを生み出すという行為がどれだけ苦痛なのか分かると思います。おすすめです。

"Dries Van Noten"

アントワープシックスとしても有名なドリス・ヴァン・ノッテンの映画です。噂で“DRIESの映画が出る“一時期、“無しになった、本だけらしい“と聞き、最終は“公開延期で出すことになった“だとか人づてに色々な噂を聞きましたが、結局公開されてすごく安心したのを覚えています。メゾンの映画ってブランドイメージがとても大切だと思うので多分こんな感じなんでしょうね。
このとき僕はすごくDRIES VAN NOTENの気分でいっぱい買ったのを覚えています。この映画の良いところはDRIESの私生活を観れるところでしょうか。リンクはそのシーンのみ切り取ったものです。
僕の勝手なイメージですが、某ラグジュアリーブランドの名高いデザイナーはパーティーやクラブへ行ってセレブたちと交流を深めたり、遊んだりしていそうなイメージです。(誰とは言いません)
一方ドリスは都会の喧騒から離れた田舎のような(でかい)邸宅でひっそりと暮らしているようです。花を摘んでそれを何時間もかけて生けて。
こういった時間が彼のファブリックや花のモチーフ、そしてスタイリングへと通ずるのではないかと思います。
また、アトリエでのスタイリングを組むシーンでは色々なファブリックをあてがったり、試したりして、これにはこれが合う、合わないといったことを試していました。
これは僕たちが服を買うときにやっていることで、超一流のデザイナーになってもやることは変わらないんだなと分かったと同時に、僕たちは間違っていない、と思いました。
最後のコレクションのシーンもどこか恍惚としていて最高です。
一貫してファッションデザイナー然とした、最高な映画です。
こう書いているとまた観たくなってきました。。

番外編
"We Margiela"

これはモードの映画というよりも、突然居なくなった人に関する映画として作られているため、モードを理解するための映画というのは少しお門違いなのかな、と思うのですが、内容はモードに関する大切なことが描かれているのでここに並べます。
90-00sにその名を冠したMartin Margielaにまつわる映画です。
今や日本ではコムデギャルソンの次くらいに有名なブランドなのではないでしょうか。少なくとも僕はギャルソンにTabi Bootsを履いているスタイリングを見て、そんな感じで知りました。
何事にもそうですが、インディペンデントに細々やっていくことで獲得していく信頼があります。
しかし、"売れる"ことで誰かの目に留まり、もっと金を持っている人に買収されたり、制御下に置かれたりしてしまいます。
この作品はそれが顕著に描かれた作品だと思います。
マルタンは途中で突然居なくなりますが、やってられるか!ということです。マルタンはインディペンデントにやっていきたかった、つまりこちら側なのだと知り、本当に安心しました。

気になる映画があればどれか一つでも見ていただければ幸いです!
そして服を買いましょう。それを着て格好をつけて、最高の気分で街を闊歩しましょう!

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