日本の停滞とデジタル (3)日本経済の停滞の原因 ②失われた10年から30年へ ⅰ この20年を振り返る 何を持って失われた10年が30年へと続いたと言えるのか。 30年という歳月はとても長いし、その中には多くの山谷が存在したはずだ。 実際、株価で見れば、回復した時期もあるが、実感出来たのは一部の人たちではないか。 大半の日本人の実感に沿うのは、賃金では無いだろうか。 実質賃金は、この30年間見事に低空飛行を続け海外では賃金が上がる中、日本は全く上がらな
日本の停滞とデジタル (3)日本経済の停滞の原因 ①停滞の起点 ⅰ バブル崩壊 日本経済の停滞はいつ始まったか。 この点については、多くの識者の意見は一致する。 客観的な数字を辿っても同じ答えになる。 GDP、賃金の伸びが止まり始め諸外国の潮流から取り残されたのが、今から30年以上遡る1989~90年である。 起点はバブル崩壊である。 世間ではバブルの風が吹き株価、地価は上昇していた。 一般庶民から見れば、地価の高騰により住宅の取得が難しくなるなど、
日本の停滞とデジタル (3)日本経済の停滞の原因 日本の停滞は、いつどのように始まったのか、そしてなぜ30年に渡って続いているのか。 まず鳥の眼でこの30年を大きく俯瞰し分岐点を探して振り返る中で、デジタルと社会の関わりを明らかにしてみる。 全体を俯瞰するには長い時間軸であり、その中には山谷があり理解を妨げる。 長い期間を、主観に偏らず把握するために、年表を用意した。 社会の変化を表すために、重要な要素となると思われる項目については、時系列の数値も用意した。 そ
1.日本の停滞とデジタル (1)日本の停滞 「失われ30年」はあったのか? この事自体、存在しないと言い切る主張もあり、また社会が崩壊したわけでもなく生活水準が目に見えて低下した訳でもなく何をもって失われたと言うのかと言う疑問も耳にする。 この理解が人によって異なるが、中でも年齢が大きく関わる事だろう。 子供時代、高度成長期に生活が豊かになっていく実感、社会人になってからのバブルとその崩壊を経験した世代と、生まれた時から停滞の中にいた世代とは見える景色は違って当然だと
デジタル化の遅れはどう関わったのか 日本の長い停滞については、さまざまな方々が取り上げて分析されています。 その原因についても、諸説有り、世の中で共有されるような結論は出ていません。 一口に30年と言っても、第一次世界大戦から第二次大戦までに匹敵する長い期間です。 その間、大正デモクラシーがあり軍国化を経て日本の敗戦までを含みます。 現在までの30年も同様にその中には大小の山谷が連なり、経済や社会そして技術の変化がさまざまに絡み合って複雑な様相をていしています。
noteに登録して初めて記事を書きます。 40年以上前に社会人となった私は、当初はその役割もわからないまま、情報システム部門に配属され、その後の人生のほとんどをいわゆる「情シス」で過ごしました。 当時は専門的な勉強を積んだ人たちの中で、文系出身でコンピュータをほとんど知らないわたしは珍しい存在でした。 そんな生い立ちから、興味を持ち続けたのは、デジタル化の議論と経済・社会の議論の橋渡しをする事です。 それぞれの議論の間に距離がありすぎると感じているからです。 現代社