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社会福祉士国家試験について

ちょっとこれまでの投稿と毛色は違うのですが、社会福祉士国家試験について、誰かの役に立つかもしれないと思って、書き残しておきます。
第34回社会福祉士試験(2022/02/06実施)、自己採点ですが、118/150(78.8%)で合格圏となったので、各種資料を捨てる前の備忘録でもあります。

私は、専門学校高崎福祉医療カレッジの通信課程社会福祉士科で学んで、受験資格を得ました。
コロナ渦での学生生活だったので、スクーリングはすべてオンラインでした。提出課題のほとんどは、国家試験の過去問回答をしていくもので、これなら過去問参考書をやった方がマシだなあ、ひどいなあ、なんて商売だよ、と思いながら、課題提出の直前に、インターネットの過去問サイトから正解を確認して、学ぶこと・記憶することをサボって、課題をクリアすることだけを達成していきました。
学生生活で「学んだなあ」と感じたのは、木村雅人先生のスクーリング動画と、知的障害者生活介護施設での180時間の実習(ここでも木村先生の丁寧なフォローアップがありました)、のほぼ二つだけ、という認識でした。教科書はたんまりありましたが、ほとんど読まない怠学生でした。教科書は、受験前に、古本チャリティに出してしまった、という確信的怠学生でした。

秋が深まり、季節は冬に。学校から「試験対策」として送ってくださる資料や問題をやってみても、なかなか「理解できている」という感じが得られず(当たり前だ!)、これはマジでヤバイ、と思って、初めての受験用書籍を買ったのは、12/27(試験まで41日!)でした。
購入したのは、「社会福祉士 これだけ!一問一答&要点まとめ」(ユーキャン)でした。これを年末年始も含めて持ち歩いて、一所懸命、頭に叩き込むことをやっていきました。
私は10月末に前職を退職し、11月~12月は実習先であった生活介護施設で週2日のボランティア活動を続けていたのですが、1月からはそれも中断して、試験勉強に専念できる環境でした。でも、根っからの怠け者、夏休みの宿題は8/31にやるタイプなので、なかなか勉強ははかどらず、一回も模擬試験受けてないし、これで良いのだろうか・・・と不安は増すばかり。
ということで、1/11(試験26日前!遅い!)になって、「らくらく合格社会福祉士試験ズバリ予想問題集」(ナツメ社)を購入して、自分で模擬試験的に受けてみることにしました。この書籍は、1回目と2回目、の2回分の予想問題集になっていて、"驚異の的中率!117問/150問!" がキャッチーな感じでした。これの一回目を、ひそかに期待しつつ(甘い!)、ドキドキしながらやってみました。
その結果は・・・。
共通科目 40/83(48.2%)
専門科目 39/67 (58.2%)
合計 79/150 (52.7%)
ということで、目安であるおおむね60%前後には未達という結果になりました。安全圏内に入るには、あと20点を上積みしないといけない・・・。焦りました。焦って、焦って、たどり着いた結論は、過去問をもっとやらないといけない、でした。実習先の指導員の方が、「ぼくは過去問5周やりました」と助言してくれたのですが、ようやくここで、その助言の正しさに辿り着いたことになります。
ということで、1/14(試験23日前!遅い遅い遅い!)に、「みんなが欲しかった社会福祉士の過去問題集」(TAC出版)を買って、改めて過去問に取り組みました。
この書籍の巻末には、前年度の試験問題がついています。なので、
過去問集の共通科目を読んでいく → 前年度の共通科目を模擬的に受験 → 予想問題集の2回目共通科目を模擬的に受験する。
過去問集の専門科目を読んでいく → 前年度の専門科目を模擬的に受験 → 予想問題集の2回目専門科目を模擬的に受験する。
という進め方をすることにしました。

結論から言うと、過去問は偉大です。

共通科目は、前年度分 54/83 (65.1%) 、予想問題集(2回目) 53/83 (63.8%)
専門科目は、前年度分 54/67 (80.6%) 、予想問題集(2回目) 45/67 (67.2%)
合計で、前年度分 108/150 (72.0%) 、予想問題集(2回目) 98/150 (65.3%)
と、おおむね目標の20点上乗せの手応えを得ることができました。
予想問題集(2回目)が終わったのは、実は試験前日でした。

単純に過去問をやるだけでなく、ポイントとなる部分は、語呂合わせや、イメージ記憶を使って、しっかり覚えることにしました。
語呂合わせや、イメージ記憶は、できるだけ荒唐無稽で、馬鹿馬鹿しいものにして、自分に親しいものを加えるようにして、覚えました。

・浅香光代さんが、聖路加タワーのてっぺんにしがみついてる映像。
  →日本初のMSW浅香ふさは、聖路加国際病院。
・友人のりょうくんが、滝野川女子学園の脇の坂を走っている映像。
  →石井亮一は、滝乃川学園の創始者。
・友人の岩永さんが、長崎の友人とともにいる映像。
  →岩永マキは、浦上養育院(長崎)で孤児養育。
・柳田悠岐が、蛇に絡まれながら、「システム!」と叫んでる映像。
  →ギッターマンとジャーメインの生活モデル、システム理論。
・ピンクのカスタネット持った青江三奈はんが、チェンジどすか~、アクションどすか~。と言っている映像。
  →ピンカスとミナハンの4つのシステムモデル。
・屁がしぼむ。エイ売るサッチャー。バー栗山(巧)。
  →イギリスの報告書群(ベヴァリッジ報告、シーボーム報告、エイブス報告、ウォルフェンデン報告、バークレイ報告、グリフィス報告)の順番と概要。
・天二(天神橋筋二丁目)のまぜそば
  →テンニースのゲ「マ」インシャフト→ゲ「ゼ」ルシャフト

学習エリアとしてケアを薄くしたのは、
・過去のビジネス系キャリアで基礎があった、人間関係論、リーダシップ理論、個人情報保護法、労働法規、情報セキュリティなど。
・これまでのソーシャル系の活動で基礎が獲得できた(なんでかわかりませんが、バイステックの7原則は、おおむね身体に染みついた気がします)相談援助の事例系。
・自分が不得意な外国人の名前系。自分の価値観に沿う人と、明らかに反する人だけ覚える。
あたりです。
逆に重点を置いたのは、「覚えやすく、確実に点が取れるところ」。
統計調査、年金、社会保険、労働保険、民生委員・児童委員や、更生関連、等々です。
各科目で得意不得意はあれども、各項目で1問も取れない、ということは無いというのは、問題をやりながら認識したので(最初はそれが不安でした)、メリハリをつけるようにしたのは、結果的に良かったと思います。

ソーシャルワークの基礎を軽視するわけではなく、ソーシャルワークの基礎は実学でしっかり学ぶ、という前提で、試験の突破という目的の達成については、過去問だけやっておけばよい、というのが私の結論です。
確実な正答と、確実な誤答のパターンを認識することが、とても大切だと思います。特に、「確実な誤答」の使いまわしがかなり目立つので、そのパターンを学ぶことが、得点向上の秘訣なのかな、と、今、思っています。

私のような、泥棒を捕まえてから縄を綯うことはお勧めしませんので、数か月早めに、秋が深まったあたりから、「みんなが欲しかった社会福祉士の過去問題集」(TAC出版)のようなものをやりこんで、「らくらく合格社会福祉士試験ズバリ予想問題集」(ナツメ社)のようなお試し問題に取り組んで、手応えを得るアプローチをお勧めします。
もちろん、これは私の事例で、誰にでも適用できる、とは思っていませんが、何らかの参考や、なんとなくの心の安心材料になれば、と思って、書き残しました。

情報系の国家試験に携わっている立場からすると、この試験で測れる能力は、ソーシャルワークの本質とは、だいぶズレているという気がします(当たり前ですが、個人的な意見です)。また現代は、知識ではなく、探求すること、思考すること、共創・協創することが求められる時代です。その時代に対して、この試験の周回遅れ感も強く感じます。さらに踏み込めば、この名称独占資格制度そのものの欺瞞性のようなものも、強く感じます。そのような(私から見ると、正しい)認識がある人ほど、この「お勉強」はつらいと思います。でも、乗り越えましょう。いっときの我慢です。
私たちが自分の願いとともにソーシャルワークに取り組むとき、少なくとも、今のこの国では、社会福祉士の肩書は、あった方がいいと思うのです。
心から、応援しています。

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