隣の芝が青く見える理由
今日の言葉
イソップ寓話より引用
隣の芝が青く見える理由
以前、人事業務を担当した際に退職希望者との面談を担当しました。
退職を希望する人は大きく2つに分類できました。「次のステップに進むために退職する人」と「今の仕事が嫌で退職する人」です。
「次のステップに進むために退職する人」は、これまでの職場に感謝し、周囲からも惜しまれながら去っていきます。このような人は次の職場でも活躍していることが多いようでした。
一方、「今の仕事が嫌で退職する人」は、これまでの職場に不平不満を言い、周囲からも特に惜しまれずに去っていきます。このような人は次の職場もすぐに辞めてしまう傾向がありました。
後者のタイプは、まさにイソップ寓話の「庭師とロバ」のようでした。
ロバは良い環境を求めて移動したのに、なぜ悪い結果になってしまったのでしょうか。
それは、ロバが現状を否定するだけで、自分に与えられている環境の良さに気づけず、「今より楽をしたい」という動機しかなかったからです。
現状を否定し、楽ばかりを求めているから、どこに行っても「隣の芝生は青く見える」のです。
よく考えれば、焼き物師のもとでは重い荷物を運ばされること、皮なめし職人のもとでは自分の皮が使われるリスクがあることは、想像できたはずです。
しかし、ロバは転職前にこれらのことに気づかず、楽観的な想像だけで転職したため、状況が悪化してしまったのでしょう。
仕事が自分に合う・合わないのは当然あることです。
ただし、仕事が合わないとき、業務内容や環境のせいにするのではなく、「自分とどういうところが合わないのか」「逆に自分に合う仕事とはどういうものか」など、しっかりと自己分析を行ってから転職した方が、結果的には良い方向に進むと思います。
イソップ寓話集の「驢馬と庭師」を読んで、このようなことを感じました。
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