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仕事と欲のちがい

今日の言葉

二宮翁夜話より引用

122〕 家業は出精、欲は抑制
翁のことばに、世間には、家業と欲とを混同して、区別を知らぬ者がある。だから家業に出精するのを欲が深いと思ったりするが、大きな誤りというべきだ。家業は出精せねばならぬものだ。怠っては済まぬものだ。欲は、これとちがって、押えねばならぬものだ。人にはそれぞれ家の業がある。官吏が国家のために尽力するのは家業出精だ。教師が教育に勉励するのも家業出精だ。僧りょが戒律をよく守るのも家業出精だ。医師が病人に心力を尽すのも家業出精だ。農、工、商みんな同じであって、よく心得て混同しないようにせねばならぬ。

【引用 二宮翁夜話(上) 福住正兄:原著 佐々井典比古:訳注】

仕事と欲のちがい

最近、「楽に稼げる」という言葉をよく目にします。

しかし、この表現には矛盾があります。

本来、仕事とは人に商品やサービスを提供し、その対価としてお金を得る行為です。

収入(稼ぐこと)は、その仕事の対価の合計を指します。

一般的に、難易度が高く時間のかかる仕事ほど対価は高く、簡単な仕事ほど対価は低くなります。

そのため、「楽に稼げる仕事」という概念は成り立ちません。

にもかかわらず、このようなキャッチコピーが氾濫しているのは、仕事と欲が混同されているからだと考えられます。

本来、仕事とは人に商品やサービスを提供し、その対価としてお金を得る行為です。

本来は仕事が目的であり、その結果としてお金を得るべきです。

お金を目的とした欲のために仕事をしてしまうと、詐欺や騙しが横行し、社会が乱れます。

二宮金次郎の夜話122段「家業は出精、欲は抑制」を読み、これらのことを強く感じました。

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