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「タンクトップ仮説」 外国人は相手の口元を見て聞き取りを補っている?

昨年から二人の先生とドイツ語のオンラインレッスンを続けています。(どちらも女性なのはたまたま)
 
昨年の6月でしたが、土曜日の先生がタンクトップで登場したので、ドイツ語が全く頭に入って来ませんでした。
日曜日の先生もタンクトップだったのですが、回線が悪かったので途中からビデオをオフにして音声だけのレッスンに切り替えたところ、ドイツ語が全く頭に入って来ませんでした。
 
これはなぜでしょうか。
 
日本語と違って(少なくとも私の知っている)西欧語では、相手の口の動きを見ることで自分の聞き取り情報を補強しているのではないでしょうか。
発音していなくても口がその音の形になっているとか、舌を噛んでいるとか下唇を噛んでいるとかで、thとか F/H、V/Bの区別をしているとかの補強をしているのではないでしょうか。

日本語ではしっかり聞こうとすると目を閉じてうつむいて聞くことに集中するのですが、他の言語ではそうならず、口元を見るのではないでしょうか。目で聞くという感じですかね。
決してタンクトップが見えなくなってモチベーションが下がって聞こえなくなったわけではありません。
 
2016年に読んだ新聞記事に「マガーク効果」についての研究結果について書かれていました。
マガーク効果とは、例えば「が」と発音している人の映像に「ば」という音声を重ねると、見ている人には「だ」と聞こえる現象で、視覚に聴覚が影響されるため起きると考えられています。
研究によると、英語圏の人に比べて日本人にはマガーク効果が起きにくいとのこと。
 
おそらく元のソースはこちら

熊本大の積山薫教授らは、日本人学生と英語圏からの留学生を対象に、会話するときの視線の動きや脳波を測定し、英語が母語の留学生は視線を話者の口に集中させるのに比べ、日本人学生の視線は口元には集まらないこと、また留学生は口の動きから推察して短時間で音を判断しているが、日本人学生は口の動きに視線を集中させると逆に判断が遅くなったと報告。英語母語者は口の動きを見ながら一瞬あとに聞こえる音の候補を絞り込んでいるが、日本語母語者はそうした予測をしないようです。
 
となると、外国語運用能力アップのためには、相手の口元を見て音情報の補強、次の音の予測の能力をアップする必要がありますね。
 
とは言え、日本では口元を見せるのは失礼だと手で隠す人が多い中、逆に口元をしっかり見るというのも失礼なことだと考えてしまう人が多いかもしれません。
以前若い女性に英語・フランス語の発音指導をしたことがありますが、口元を見られるのが恥ずかしいと恥じらいながらF音で下唇を噛むのを眺めるというのは、おじさんたちには魅力的なポジションかも知れません。
(私はきょうみないのですけれども)
 
 

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