いまさらダビスタをやっていいところまでいく#6
前回のあらすじ
・テンセグリティにローレルゲレイロを配合、生産。
・カタスヨカトが1勝クラス、2勝クラスと連勝
・ハカタヨカトがデビュー、3戦目で勝ち上がる
種付け(6回目)
さて、6回目となる種付け。
カタスヨカトが稼いでくれるお金のおかげで、何とか存続することができている背振ファーム。
ある程度高額な種牡馬(当社比)をつけることもできるが、今年の種付けも、前年同様ローレルゲレイロの予定。
狙いとしては、配合が見事と言うのもあるが、繫殖牝馬まで考えてのことである。
我らが偉大なる母のテンセグリティも気づけば9歳。
10歳を超えると受胎率が気になってくる。
そろそろ世代を交代するためにもここで良血の牝馬を生産したい。
その思いから連続でローレルゲレイロをつけることにする――つもりだったのだが、テンセグリティの25がなんと牝馬だったことで計画が狂ってしまう(前回参照)
そこで慌てて私が配合相手に選んだのは――
バンブーエール!
選んだ理由としては、
・安い!(4年連続4回目)
・凝った配合となり能力の上澄みが見込める。
・ブレッシングブルームのクロスが生まれる(気性難のリスクもある)
毎年だいたい同じことを言っているが、今度はゲーム的な側面を意識しての配合であった。
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新馬が入厩
そして早くも3頭目が入厩を迎える。
本年度の入厩馬はテンセグリティの23(父アグネスデジタル)。
勝負根性があるとの評価を受けており期待が持てる。
父が昭和の歌姫から取られた名前ならばと、福岡出身有名人である武田鉄矢のフォークグループ「海援隊」から名前を借り、「バリカイエン」と命名。
期待を込めて河合(矢作)厩舎に入厩させる。
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デビューに向けて
入厩後は順調にトレーニングを積み、7月1週にデビューを迎える。
舞台は中京3Rの芝1400m戦。
有力馬には名手が必要と、ダービー6勝の武豊を背に堂々と中京へと向かった。
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が、しかし。
ゲートでやや出遅れると、その後もずるずると後ろにつけたまま、見どころのない競馬をしてしまう。
結局後位のままで、良いところなしの12着……。
評判が良かっただけに衝撃を受ける陣営だった。
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え、負けって……コト⁉
勝利へ向けて
しかし、バリカイエンに能力を感じる陣営。
負けじと中3週で新潟で行われる未勝利戦へ。
今回は1ハロン(200m)延長し、背にはグランプリ男の池添ジョッキーを招いた。
加えて、前走の反省を生かし前目に付ける作戦を選択。
準備は万全である!
……しかし、道中での折り合いがあわない。
結局、道中は前走と同様に後位に控える形となってしまい、なんとか直線勝負にかけるが反応も悪い。
結果は6着………………。
またも頭を抱える結果となってしまった。
勝てない原因を探れ
そろそろ勝ちたい陣営。
三度目の正直と向かったのは東京芝1600mの未勝利戦。
1ハロン(200m)の距離延長で末脚にかける作戦だった。
これ以上は負けられない。
背振ファームでは生産馬の勝ち上がりを信じて、従業員が固唾を飲んでテレビにかじりついている。
ゲートが開いた!
するとデムーロ騎手に乗り替わったことが功を奏したのか、バリカイエンは勢いよく飛び出し2番手につける。
そしてそのまま絶好の位置で直線に入ると、猛烈なたたき合いに!
一瞬勝利を確信するも、後ろからきたマジカルポケットに刺され1馬身差の2着!!
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結果は振るわなかったが、成長を感じさせる一戦だった。
これ以上は負けられない。
そろそろ勝ちたい。
バリカイエンもこれまでの先輩馬と同じく早熟の傾向。
こんなところで足踏みしていては将来に響く。
抜群の調整で再び未勝利戦へと向かうバリカイエン。
しかし、またもゲートで出遅れ。
1着馬に5馬身差。なんとか2着は確保したものの惨敗であった。
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決断
もう後がなくなってきている1月。
在厩による疲れがたまっているバリカイエン。
これ以上は黙って見ていられない陣営は、ハカタヨカトの先例もあることから、ここでダートへの転向を決断。
京都で行われるダート未勝利戦にバリカイエンを登録する。
すると、この決断がプラスに働く。
やはり血統は絶対なのか⁈
バリカイエンは予想以上の適応を見せる!
ニシノベースマンとの壮絶なたたき合いの末、最後はすっと突き放し、今までの惜敗が嘘のように、圧倒的な実力を見せたバリカイエン!
念願の初勝利をつかんだ!!
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無名の馬にも関わる人間のドラマがあるのだ
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一方そのころ……
バリカイエンが勝ち上がりにもがいているその頃。
先輩馬たちも同様にもがき苦しんでいた。
カタスヨカト
連敗続きの後輩馬にいいところを見せようとカタスヨカトが3度目の3勝クラス戦に挑む。
外房S(中山ダート1200m)を選択し、得意条件での勝負!
ジョッキーも慣れ親しんだ大野騎手に戻し、条件は完璧!
決戦の時を迎える!!
徹底した外目を好位追走する作戦で、いつものように直線勝負にかけるカタスヨカト
逃げるライブコンサートを懸命に追うが、反応が悪い!
2Fを切ってからやっとエンジンがかかる。
ぐんぐん差を詰めていくカタスヨカト!
が、それも時すでに遅しだった。
粘りを見せていた逃げ馬のアイアンテーラーを捉えるのが精いっぱい。
放牧からの復帰戦は3着という結果に終わった。
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反応の悪さが気になった陣営はカタスヨカトにもう一度休養を取ってもらい、向かったのは藤森S(ダート1200m)。
これまでずっと使ってきた条件で、今回は輸送もなく、これ以上ない環境を揃えた。
この結果次第では引退し、春からは繫殖牝馬入りも検討するところだが――
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――結果は8着。
ゲート、道中、最終直線と何一ついいところがない結果に終わった。
この結果を受け、陣営は衰えが来ていると判断。
カタスヨカトは本走での引退となった。
通算11戦3勝の成績を残し、背振ファームのファーストクロップであるカタスヨカトは競走馬生活を終えることとなった。
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5010万も稼いでくれた孝行娘だった
ハカタヨカト
弟のバリカイエンと同様に、ハカタヨカトも振るわない結果が続いていた。
前走の未勝利戦の次に陣営が選んだのは、6月3週の1勝クラス。
完璧に仕上げて向かうも直線で足が持たず結果は6着に沈む。
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しかし、前走では雨だったことが気になり、もう一度同条件で勝負ということに。
迷った挙句、次走は小倉芝1200mに。
前走の丸田騎手から替わって、団野騎手は果敢に逃げに出る。
すると団野騎手に促されるようにハカタヨカトは加速、気がつけば圧倒的リードで、ハナを奪ったまま直線へ。
後ろからの猛追を追い払おうと団野ジョッキーからムチが飛ぶ!
しかし、足が残っていない!
結果は4着に終わってしまう……。
だが、体は上がってきていることから、背振ファーム内では上昇ムード。
次走に期待となった。
ここで疲れがたまったので放牧を挟むことにした。
1勝クラス脱出に向けて
放牧後に向かったのは、福島で行われる相馬特別(芝1200m)
最高の状態に仕上げて輸送を行う。
競争前にも圧倒的に評価を受け、期待が高まる。
前走と同じく鞍上は団野ジョッキーのままで、作戦は任せることにしている。
今回も逃げると思ったが、ハナを主張しつつも、ペースは抑える競馬を展開。
直線では一度刺されたもののアルミューテンを差し返し、着差以上の大勝!
団野騎手の好騎乗が光る結果となった。
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団野騎手には頭が上がらない
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2勝クラスにて
中4週の間隔をあけて2勝クラス中京日経杯に挑むハカタヨカトは、いつものように果敢に逃げる。
最終直線に差し掛かりこれは……⁉
と思わせたが、垂れに垂れての5着。
まだ可能性は十分あると判断した陣営は、次走を小倉で行われる帆柱山特別(芝1200m)に。
前走よりも完璧な状態に仕上がったハカタヨカト。
期待を持って陣営はレースに送り出した。
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……しかし、結果は前走と同じ5着。
ハカタヨカト限界説が流れ始める背振ファームであった……。
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