人前で涙ぐむ段階

11月30日(土)は11月最後の日であることはもちろん当たり前のことだが、かなり感慨深い感じのする今日だったなと思う。しかも今日は横浜の馬車道で行われるイベント「にんげん部」で自分の話をする機会をもらっていた。

この11月の初日に高野山の奥の院を参拝してから、まさかの30日間だったなと思える濃厚な1ヶ月だった。そこまで自己嫌悪せんでええがな、どうした?と言われるくらいにどんどん自分の内省が進む。

いわゆる瞑想プログラムであるヴィパッサナー瞑想に取り組んできた経験者によれば、「それはゆるやかにヴィパッサナー瞑想をしてるね」ということだと思えるようなくらいの内省だったようだ。


正直なところ、振り返るのも億劫な気持ちではあるが、尊敬する社長に丹波を堪能してもらうための時間を取ったはず(笑)がまさかの自分の内省と未着手の古民家の問題に向き合うきっかけをもらうことになった今月の初旬。

また戸惑いながら日々を過ごしていく中で見えてくる過去にやり残してきたものが記憶として急に取り出され、猛烈な速さで過去と向き合うきっかけになった8年ぶりの親友との再会の機会が生まれた中旬。

わずかながら合間を縫って作業を一生懸命に進めていき、徐々にチーム感が生まれ始めてくる古民家とお庭を整備していくプロジェクト。初旬から中旬にかけて少しずつ動き始めて、下旬には僕がいないときにも作業が進めてもらえるという日も生まれ始めた。めちゃくちゃありがたかった(涙)

中旬から下旬にかけては、この課題に向き合うにあたっての人間関係におけるいろいろなやりとりでたくさん自己嫌悪に陥る機会があって、自分がいかに人に甘えてきていたのか、また一方で理解されないと思い込んで一人で勝手に拗ねてきたのか、周りはそれを受け止めて関わってきてくれていたことを気づかずにいたのか、そして今後も情けない自分を受け止め続ける覚悟と寛容さを持って生きてくれているのだ、ということを感じた。


その過程において、まずは戸惑って、不安になり、落ち込み、自己嫌悪し、そして自分に苛立ち、いまは恵まれていたことに感謝をしている気持ち。

最近ではほんとうに自分が避けていた心の変化。心が動いてしまったら、自分の情けなさが見えてしまって、心配されてしまったらどうしよう!!って震えている自分がいるのだということに、また情けなさを感じていたりしているにも関わらず、そんなんもう知ってるよって教えてくれるありがたさ。


情けなさが自己嫌悪につながり絶望感すらあったところから、怒りに転化してから、感謝に至るまでの過程は、萎れていた花が太陽の光を浴びて元気になるかのような「むくむく」っと頭が立ち上がるような感じだった。

そのあたりを赤裸々に語り、自分の中にあった思い込みや、未だ葛藤を繰り返しているしっかりやんなきゃという自分をしばりつける気持ちについてをすべてさらけ出してみて、それでもなお感じることがあったことを伝えた。


「それでも、僕は僕をとても情けないと自分が思っていても、迷惑だから僕がいなくなってほしいなんていう人は誰も・・・」


ということを話しながら言葉に詰まった。ついいつもの癖で、泣くのを止めそうになったときに、ここで止めてたんじゃ変わらん、と自分に言い聞かせて、そのまま言葉をつなぐ勇気を奮い立たせていく。


「だれも・・・いなかったんですよね。ほんまに、ど・・・んだ・・・け恵まれてるんかと(泣)」


涙がにじんだ。悲しいわけでもなく、苦しいわけでもなく、感謝の気持ちが溢れてきて。ただ涙を流すことを怖がる自分の不安をすこし手放せた。

そう、どんだけ恵まれているんだろうってことに感謝して、どんだけ悲しませるんだろうってことに悲しくなって、だけど生きていっても大丈夫だし、堂々と自分がいま向き合うべきことに向き合っていけばいいと思えるいまがあることを本当にありがたいとしか言い表せない。


そしてこの場で自分が人前で涙ぐみながら話してみたことに対しては。

「ドラマチックに生きていきたいということ、感動しました。」
「人との向き合い方に共感しました。また話しましょう。」
「過去の自分の情けなさに向き合えることは本当に素敵なことです。」
「いたるさんの言語を超えた表現を是非ともみてみたいです!」

なんていう感想をもらって、とても勇気が出て素晴らしい時間になった。


前にもこのイベントに出て、その際には10分のプレゼンをするというお題に「何も話さず座禅で瞑想をする」という方法で表現にチャレンジして、何も話さなかったけどとても素晴らしい時間を提供することができた。

今回は自分の過去の話を赤裸々に語り、感情的なことを発表し、取り繕わず感情の揺れに身をまかせるというチャレンジをしてみた。とてもよかった。


いますこし涙ぐむことができるようになり、自分の情緒的な部分に、感性の部分に、一歩近づけた気がする。良い機会が良いタイミングであるもんだ。

急に読者の方からサポートもらえてマジで感動しました。競馬で買った時とか、人にやさしくしたいときやされたいとき、自暴自棄な時とか、ときどきサポートください。古民家の企画費用にするか、ぼくがノートで応援する人に支援するようにします。