コラム:ビデオゲームが教えてくれたこと

1.はじめに

以前、「TED 世界を魅了するプレゼンの極意」という本を読んだ時、こんなことを考えました。

今の気持ちも、2年前にこのツイートをした時と変わっていません。

僕にとってビデオゲームは、「日本以外の世界」「新しいテクノロジ」「相対的なものの考え方」「今まで馴染みのなかったジャンル(音楽やスポーツ etc.)」「美術・芸術の表現手法」そして「人生そのものに対する向き合い方の指針」…いろんなものに目を向かせてくれる入り口です。
(※ もちろん、小難しいこと抜きに「遊んで楽しい」ものであることは大前提です)
(※ 芸術性に重きを置きすぎて、「遊んで楽しい」ことをオミットしている点で、「Everybody's Gone to the Rapture」(PS4 / PC, 2015)には大きな問題があると思っていますが…、本稿の趣旨とずれるので、ここでは省略)

ここでは、「ビデオゲームが教えてくれたこと」を紹介することで、今までの僕の人生とビデオゲームの関係を掘り下げようと思います。

2.ビデオゲーム - 人生 宇宙 すべての答え - 

今から思うと、僕がビデオゲームによって人生における何がしかを感じたのは、「ドラゴンクエスト V 天空の花嫁」(SFC / PS2 / Nintendo DS / Mobile, 1992年)が最初でした。
親子三代にわたる壮大な大河ドラマからは、人生のスケールの大きさを感じましたし、主人公の結婚イベントでは、未だ見ぬ自分の結婚に思いを馳せたものでした。
(特に、久美沙織氏による小説版は、新婚初夜の描写が妙に生々しくて、ドキドキした覚えがあります。)

XBOX 360(2005年)で初めて搭載された「実績システム」は、コツコツと努力すること、そしてコツコツ努力した結果に対して、小さな達成感を積み上げることの素晴らしさを教えてくれました。
一時期は、「Remember the Milk」といったタスク管理アプリを使って、かなり細かい粒度で仕事を管理し、まるで実績を解除するかのように日々のタスクをこなしていたものでした。
(会社に入ってからは、機密保持上問題があるので、さすがに外部アプリでタスク管理することは無くなりましたが)

また、「Grand Theft Auto V」(PS3 / XBOX360 / PS4 / XBOX ONE / Windows, 2013年)における主人公たちの破天荒な振る舞いは、僕の辛かった時期を救ってくれました。
何をやっても気分が晴れず、人生の楽しみを見失いかけていた僕に、「好きに生きて良いんだ」というメッセージを伝えてくれたのは、このゲームの主人公たち、マイケルやトレバーやフランクリンでした。

他にも、今までの自分が知らなかった知識の扉を開いてくれたのは、僕にとってはいつでもビデオゲームでした。

「エースコンバット」シリーズ(1995〜, PSなど)で、軍用機の種類と名前、それぞれの機種の特徴を知りました。

「グランツーリスモ」シリーズ(1997〜, PSなど)は、僕にとって、クルマのメーカー・車種・駆動方式・駆動原理 etc.の教科書でした。
特に、当時ファミ通から発売されていた公式ガイドブックは、ゲームの攻略本としてだけではなく、クルマの入門書としても有用だったように記憶しています。

僕が一番好きなゲームシリーズ「beatmania」シリーズ(1997〜, アーケード / PSなど)は、僕に様々な音楽ジャンルを教えてくれた先生でした。
Trance, Techno, Eurobeatといったそれぞれの音楽ジャンルの特徴は、このゲームによって知りました。
(beatmania や beatmania IIDXは本当に大好きなシリーズです。beatmania IIDX 7th StyleのPS2版発売にまつわる感動エピソードとか、もっと語りたいけど、長くなるので別の機会にします。)

「みんなのGOLF 4」(PS2, 2003年)を遊ぶまでは、僕はゴルフのルールを全く知らなかったのですが、このゲームのおかげで学びました。

また、ここまでに挙げた特定のゲームタイトルだけではなく、プレイステーション以降の3Dゲーム全体によって、3次元コンピュータグラフィックへの興味の扉が開かれました。
それは、回り回って、今の僕の仕事にも繋がっていると感じています。

3.まとめ

ここまでに紹介してきたように、僕の人生の傍らにはいつもビデオゲームがあって、新しい世界を見せてくれたり、人生で大切なことを教えてくれたりしてくれました。

つまり、僕にとってビデオゲームは、大げさに言うと、自分を取り巻く世界を理解しようとしたり、向き合ったりしようとする時に、視点を置く拠り所のようなものだと感じています。

人によって、ビデオゲームとの距離感は様々だと思います。
でも僕にとっては、ビデオゲームは単なる暇つぶし以上の価値があるものだと考えています。

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