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コラム:レトロゲームのリマスターに欲しい「どこからでもコンティニュー」

1.はじめに

ふとした瞬間に、昔遊んでいたゲームをまた遊びたくなる事があります。
例えば、ラジオ番組「マイゲーム・マイライフ」で、ゲストの方のゲームの思い出を聞いている時。
あるいは「シアトリズム ファイナルファンタジー」を遊んでいて、昔のFFの曲を久々に聴くとき。

幸い、2021年の現代においては、レトロゲームを遊ぶ手段は豊富に用意されています。
ドラクエやFFのような人気シリーズであれば、スマホや現行ハード向けのリマスター版が発売されていますし、Nintendo SwitchやWii U、PS3など、過去のゲームのアーカイブにアクセスするサービスが用意されているハードもあります。

しかし、それでもなあ…と思うわけです。
もう一度見たいイベントに辿り着くためだけに、何十時間もかけて再び遊ぶのか?無限にゲームに時間を費やせるわけではなく、にも関わらず積みゲーが数百本に達しているこの状況で?

YouTubeのプレイ動画で手っ取り早く該当のシーンだけを観るという手段もあります。でも、単なる映像ではなく、自分自身の手で操作したいと思う時もあるわけです。(アクションゲームの特定のステージだけ遊んでみたい時など)

つまり「プレイ実況を観る」と「一番最初から自分自身の力でプレイする」の中間となるプレイスタイルが欲しいのです。

そんな時僕が欲しいなあと感じるのが、今回ご紹介する「どこからでもコンティニュー」です。

2. どこからでもコンティニュー

僕が欲しい「どこからでもコンティニュー」とは、ゲームを自分が好きなポイントから始められる機能です。

「ファイナルファンタジーVII リメイク」(スクウェア・エニックス、2021・2021, PS4・PS5)は、一度ゲームをクリアすると、好きなポイントからゲームを再開できるチャプターセレクトが解放されますが、あれが最初から使えると想像すると、イメージが湧きやすいかもしれません。

また、それだけではなく、YouTubeの実況プレイを観ていて、任意の時点のセーブデータを引き継いで自分で開始できる機能もあるといいなと思います。
実は、Google Stadia(※日本サービス未開始)にはそのような機能があるようです。

しかし『Google Stadia』には強みであるYouTubeとの連携による可能性が残っている。YouTubeのプレイ動画から「今すぐプレイする」ボタンを押せば、動画再生のようにその場でハイエンドPCレベルのゲームが遊べる。

Google Stadiaのこの機能は、主にゲーム実況者と同じオンラインゲームセッションに参加する使い方を想定しているようですが、レトロゲームにも応用できると思います。

そのような機能がレトロゲームを含めて様々なタイトルでもっと一般的になれば、「この場面は自分でプレイしたい」だとか「この実況者のプレイスタイルは気に食わない」というところだけ自分で遊び、それ以外のパートは動画視聴で済ます、ということも可能になります
そういった遊び方がビデオゲームのプレイスタイルとして適切なのかどうかは置いておいて、ビデオゲームの遊び方の幅が広がると思います。

3. おわりに

本コラムでは、レトロゲームを現代に遊ぼうとするときのハードルを下げたいというモチベーションから、「どこからでもコンティニュー」という機能が搭載されてほしいという提案をしました。

既にあるレトロゲームを快適に遊ぶための手段としては、FF7・FF8・FF12など、PS1〜PS2世代のFFのリマスター版に搭載されている、3倍速で遊べたり、レベルやお金を最大にできたりする機能があります。

でも、求めているものはちょっと違うのです。ゲームそのものは自分の技量で遊びたいのです。

まあさすがに、新作にこの機能が搭載されるのは不適当だと思います。
開発者が想定するゲームのリズムや、難易度上昇曲線を完全に無視することになってしまいます。
でも、レトロゲームのリマスター版であれば、こういったインスタントな楽しみ方も許容されるんじゃないかと思います。

仮に今回ご紹介した「どこでもコンティニュー」機能が搭載されたら、僕は「ドラクエ5」をもう一度遊びたいです。
ゲーム後半、大人になった主人公が一時的に時間を遡って、幼少期の自分や生前の父に会いに行くイベントがあります。
子供だったプレイ当時も印象深いイベントでしたが、自分自身が親になった今はどんなふうに感じるんだろう?と思います。
きっと、当時とは違った感動が得られるような気がするのです。

(了)

2021.9.13 Itaru Otomaru

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