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4-2-3-1のビルドアップの基準の作り方

こんにちは。加藤到です。


今回は「4-2-3-1のビルドアップの基準の作り方」について書いていきたいと思います。

まずは以下の動画をご覧ください


相手は4−4−2と仮定したものになります。
4-2-3-1のシステムを採用した時に、如何にしてビルドアップしていくのか。
その詳細を下記にまとめていきます。


基本的な配置はこのような形になります。(青チームのビルドアップになります)

そして、まずは幅を確保します。


そして図のように相手の4バックをC F、S H2枚の計3枚でロックします。(ロックはマークにつかせて動きを制限すること)


これにより青チームはG Kを含めると+2(8vs6)の状況が出来上がります。意図的にこのようなポジションを取ることで数的優位を作ります。


すると、見えてくるのは次の数的優位です。それが下記になります。

この相手ダブルボランチに対して味方のダブルボランチ+トップ下の選手で数的優位が出来上がっています。ここにボールをすすめることが一つの基準になってきます。

次の基準です。次は2C Bで相手2トップを越えることができない場合。

この赤の点線の場所で数的優位を作り意図的に前進したいですが、相手の圧力がかかりなかなか前進できない状況になります。もちろんG Kを含めた3vs2で前進できればそれに越したことはありません。が、難しい場合は…


ボランチ1枚が2C Bの間に降りて(これをピックアップと呼びます)、3バックを形成して、S Bを高い位置に、そしてS Hをインサイドに入れ、3−1−5―1のような形に可変します。


これで相手のライン間に選手が配置されるため相手は誰が誰をマークするべきなのかに混乱が生じることがあります。ただし中盤後方に大きなスペースが出来上がってしまうためしっかりとボールを保持することや失ったあとの切り替えは必須となってきます。


もちろん下記図のようにC Fの選手に高さや、ボールキープに長けた選手がいる場合は下記のような攻撃をすることで相手のD Fラインを下げることができますので、優先順位としてはこちらも大切です。


次はサイドのコンビネーションでの前進です。

外に開いたS Hが味方C Bがボールを持った瞬間タイミングよく中に入りボールを受けS Bと一緒に相手S Bを攻略します。このような方法も一つの方法となります。



同じようにS Bを高い位置に上げたときにC Bとできるギャップにボランチがピックアップに降りるということもオプションの一つになります。
下記図参照。

次はトップ下の役割です。C Fの近くでプレーをすることはもちろんですが、下記の図のようにライン間に入ってボールを受けることも要求していきます。

ここでトップ下がボールを受けることができれば相手の守備の混乱につながります。
長くなっておりますが最後です。

意図的にマッチアップするような場所にポジションを変えてG K+2C B+1ボランチで4vs2を作り確実に相手2トップを越えていき各場面で+1を作って前進していくという方法も考えておきます。



もちろん1vs1で相手を上回り1人でも前進できるという選手の存在は貴重であり、そのような選手は評価される対象になりますがチームとしてこのような考えを持ち、基準を作っていくことでより個が発揮されるとも考えています。



このように、どれだけ手数を持っているか?そして相手の状況を見ながら変化させていけるかは非常に見るものを魅了していくと考えています。


先日行われた天皇杯の決勝でも素晴らしい柏の守備を川崎がどのように打開していくかが非常に見応えのあるシーンでした。川崎は安易に後ろに人数をかけることはなく前線の配置で解決を図っていました。



柏もそれに動じず徹底した高い位置からの守備であわやというシーンを何度も作り出していました。このような戦術的な攻防は本当にワクワクしますし、自分たちでもこのようなやり合いをしてみたいという気持ちに駆られます。



机上の空論とも言われがちですが頭の中にこのような絵をチームが描き、すり合わせておくことで行き当たりばったりにならず意図的に前進をしていくきっかけになります。そして局面ではもちろん個人の力が必要になっていきますのでこれらの考えはあくまでも選手たちのサポートと言う意味で見ていただければと思っています。


監督・コーチとしてこのような引き出しを持っておくことがチームを支える要素になると私は考えています。長文最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。

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