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小田原で地魚のお寿司を食べた。

Vol.005
羽田でスシローの広告に出迎えられてから、ずっと脳内お寿司が回っていた。
せっかくなので美味しいお寿司を食べたいと思い、週末に小田原へ向かった。

小田原駅徒歩2分の天史郎寿司へ。

小田原に来るたび、お寿司を欲するたびに立ち寄るはここ天史郎寿司。
とにかく駅に近いのがいい。
小田原に来ると、たいていそのまま箱根の山へ向かうので、あまり駅から離れていない方がいい。なぜなら山籠りのためのリュックサックが重いので、道中で肩が痛くなるのである。
天史郎寿司は、箱根へ向かうバスターミナルから反対側とはいえ、駅近なのでそれほど負担にもならない。

まずは熱燗。

お墓参りも初詣もしたので、お寿司でひと段落。
まずはやっぱり熱燗。
ここでは山形のお酒「上喜元」が毎度といい感じの温度で提供される。
そして脂がしっかりと乗ったイワシがお通しで出てきた。
小田原で捕れたイワシである。

熱燗がじわーっと身体中に染み渡り、そしてイワシの脂がとろけるように馴染んでいく。
日本に帰ってきて良かったと思える至福の瞬間だ。

イタリアでイワシを生で食べるとなると、もれなく塩漬けのあれになるだろう。
そう片口鰯でお馴染みのアンチョビのフィレ。
それもそれで良いのだが、そうなると熱燗ではなく白ワイン。

同じイワシでもこうも違うものなのだなと。

店主おまかせ地魚鮨

毎度と頼むのは「店主おまかせ地魚鮨」だ。
とにかくネタは小田原でとれた新鮮な魚。
そして今日は私の大好物のオシツケが入っていて、テンションが上がる。
オシツケは脂身が多いので、少し炙って出してくれる。
それが実に美味しくて、美味しくて。
このオシツケを初めて食べたのも、この天史郎鮨である。
それ以来、小田原には面白い魚があがるんだと知って、定期的に訪問している。

塩辛3種の巻物は最強のお酒のパートナー

この地魚鮨のきまりには、3種類の巻物も入っている。
その巻物は決して普通とは言えない。
まさに酒飲みのための巻物であるからだ。

カツオの酒盗
イカ軟骨の塩辛
大葉麹

この塩辛づくしの巻物が呼び誘うのは日本酒であることは仕方あるまいかと。
これにイタリアビールを合わせるのは、流石の私も野暮だとわかる。

なお、天史郎鮨は、トラベル鉄道ミステリーを書いた西村京太郎氏も通っていたという。小田原駅で何を思ったのだろうかと、ふと作家の思考をたどりたくなる。

地魚と熱燗で日本のお正月気分を遅ればせながらも満喫させていただいた。
感謝、感謝。

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