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シチリア島で最も美しい復活祭が見られる村ピアナ・デリ・アルバネーゼ

いよいよ今週の日曜日は復活祭
習慣やイベントは各国、各地で様々ですが、カトリック文化が主流の国イタリアではクリスマスの次に重要な日です

特に古い伝統が残る南部イタリアでは教会のミサに参加した後、家族や親族で一緒に食事をとるというのが定番!
この時期は故郷へ帰省する人も多いです

シチリア島の内陸部にある「ピアナ デリ アルバネーゼ」では復活祭の日、住人達が優美な民族衣装を纏ってミサに赴くことで有名です

教会に入る住民達

ここはパレルモから車で約30分程度の内陸部にある人口6000人足らずの小さな村で、その名前は日本語訳にすると「アルバニア人の平原」という意味。
名前の通り、15世紀にアルバニアからの入植によって誕生した集落を起源としています

イタリアにあるアルバニア起源の町

15世紀頃オスマン帝国の拡大でアルバニアのキリスト教徒達は迫害され、居住地を奪われていきます

そこで、アルバニアの英雄スカンダルベイと同盟を組んでいたスペイン帝国はアルバニアのキリスト教徒をスペイン帝国の未開領地へ入植させることを許可したのです

当時、シチリア島と南イタリアはスペイン領でしたので現プーリア、カラブリア州などにも同様の起源をもつ町があります

ピアナ・デリ・アルバネーゼはシチリア島内のアルバニア起源の村の中心的存在で、アルバニアとイタリアのルーツが融合して誕生した「アルブレッシュ」と呼ばれる独自の文化と習慣を現在でも保持しているのです

村のメインストリート
教会の前で「再生」を祝福するオリーブの枝を配る民族衣装姿のお兄ちゃん

ちょっと珍しいピアナ・デリ・アルバネーゼの復活祭

復活祭の日、ピアナ・デリ・アルバネーゼ村では金糸や銀糸で美しく刺繍されたアルバニアの民族衣装を纏い、村の大聖堂でビザンチン(東方教会)式のミサにあずかります(←ベタに言うとミサに参加するの意味)

このビザンチン(オーソドックス)式のミサも一見の価値あり! 「アルバニア・ビザンチン典礼カトリック」と呼ばれ、東方教会式のミサを捧げるカトリックの珍しい宗派です。

西洋と東洋が融合したユニバーサルなキリスト教だなあ…

復活祭のミサ風景

ミサが終わると民族衣装を纏った女性達が村のメインストリート(一つしかないwww)をパレードしながら復活祭の印である「赤い卵」を配るのですが、最近はこの伝統的行事が旅行客に大ウケし始め、村一番の有名イベントになりつつあります

日本の着物のように母から娘に受け継がれる美しい民族衣装

因みにこの女性達の民族衣装に欠かせないのがアクセサリー類
繊細な銀細工や金細工や宝石が散りばめられた大変高価なものを沢山身につけます。これらの多くは母から娘に代々引き継がれていくもので、アンティークとしても大変価値のあるものなんだそうですよ

村には博物館みたいなアンティーク宝飾店もあります

復活祭期間にお目見えするお菓子

復活祭の期間には各地で様々なお菓子が出回りますが、ピアナ・デリ・アルバネーゼの復活祭期間はこのお菓子が↓登場

復活祭の期間に出回るお菓子

村のお菓子屋さんで、ひときわ存在感があるこのお菓子は「パナレット」と呼ばれ、復活祭の印である卵をシンプルなビスケット生地で包んで焼き上げたもの

花や鳥で装飾されたバスケット型が典型的ですが、他にも色々な形があります。最もトラディショナルなのは赤い卵を包んだ装飾バスケット型です

カンノーリも有名なお菓子の村

実はピアナ・デリ・アルバネーゼはシチリアを代表するお菓子「カンノーリ」の発祥地とも言われています

他のカンノーリとの大きな違いは、なんといっても中身のクリームとサイズ!
羊乳ベースの濃厚なリコッタクリームは超まろやか
シチリア島内のどの町よりサイズも大きく、小麦粉をタップリ使った外殻のカリカリ感は半端ないです

濃厚リコッタクリームたっぷりの超ビッグサイズ

古くから小麦の生産と酪農が主産業のピアナ・デリ・アルバネーゼ
パンやチーズ、サラミにも定評があります

自分達のルーツと伝統を大切にするこの村の表示はイタリア語とアルバニア語。住民同士はイタリア語と古いアルバニア語が混ざった方言で会話したりしているので、まるで外国に来たような感覚になりますね

残念ながら公共交通機関が少ないため、村までは車が必須となりそうですが、パレルモから簡単に日帰り可能な場所なので、復活祭にパレルモの滞在となるのなら、是非お薦めしたい場所です

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