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総合職のおしごと

大きめの会社では、下請けの会社に業務を委託し仕事を進めていることが多い。自分が勤めている会社も例外ではなく、いくつかの下請けさんに業務をお願いしている。そのなかで、正社員がやるはずの仕事を請負さんがやる場合がある。非定常の仕事は正社員が判断し、定常の仕事はマニュアルや従来のやり方に則って請負さんに進めてもらう…といった感じ。とはいえ機械の操作だったり製品設計だったり、あんまり正社員と変わらないようなことをしてもらっている。

新作の料理はシェフが作って、レシピができたら従業員に任せるみたいなノリかな。作るのを代行してもらう感じ。そういうことを繰り返していると、正社員より優れた請負社員が出てくることがある。我が社の請負さんにもそういう人がいる。シェフよりおいしい料理を作っちゃうバイトが出てくるみたいな。請負社員は特定の仕事に集中しているので、その分野では正社員を超えてしまうのだ。

こんな感じの話を友だちにしていたら、意外にも共感が得られた。彼の会社はインターネットインフラとかをやっていて畑違いではあるんだけど、下請けのプログラマーにコードを書いてもらってサービスを作っているらしい。それゆえコーディング能力がない正社員だらけで事業をしていていいのかと言っていた。

日本の企業体質がこういった問題(?)の一因なのではと思う。大企業社員には総合職採用が多く、いろんな部署でいろんな仕事をしている。経理部の人数が余っているからという理由で人手不足の法務に異動したりする。法律には明るくない人でも、である。そうすると会社のなかでスペシャリスト的な人は生まれず、同じ仕事をずっとやってきた請負社員の方が仕事内容に詳しい…という事態になる。悪いことかと言われればちょっとわからないんだけれども。


総合職として社内のいろんな仕事を経験したとしても、社外にでるとそれらの経験はあまり活かされない。だから仕事はやめづらいし、なんとか会社に残っていたいと思う。過剰人員になった経理部社員は法務に異動したせいでいろいろ中途半端な人材になってしまう。本当だったら他社の経理部に行った方が能力や経験が活かせて良さそうだし、海外では割とそういう風にキャリアを積んでいくらしいんだけどね。日本よりも社員をクビにするのが簡単というのも理由としてあるかもしれんが。

最近話題のネットフリックスは「このサービスを作るためにこれができる人が必要だから、大金を払ってでも雇い入れよう」みたいな、プロ野球みたいな人事をするらしい。本来ならその方が会社のパフォーマンスが上がるんだけど、日本企業は「一番足が速いからレフト、身長が高いからファースト」みたいに人を選んでる感じがある。公立高校の野球部みたいに。

そんな感じのことを考えてたので、大企業に就職するよりは「手に職」ルートの方が安定するかもなーと思うこの頃でした。

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