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脳はバグるので記録しなきゃという話

近年、認知科学の世界では「実は脳みそって未来予測マシーンなんじゃないか!?」ってことになってきてます。人の脳は常に、これから起こることの確率を計算し続けているという話ですね。この話が個人的に面白いので書いておきます。

わかりやすい例をあげてみます。
・雲がかかってきたから雨が降りそう
・サラサラ音がするから川が近くにある
・茂みが揺れたから猛獣が潜んでいる

こんな感じで、とある出来事をもとに、これから起こることを想像する能力です。これらは全て原始時代からありえたシチュエーションで、サピエンス(ヒト)が進化の過程で必要としてきました。学習とも言えるかもしれません。草むらが揺れても何も考えなかった人は食べられてしまうので、そうでなかった人たちの子孫がぼくたちってことになります。だから僕たちにはその能力がそなわっています。ちなみに、この考え方の根底にはダーウィン先生の進化論があります。

で、この機能があることで生まれるのが時間という概念です。記憶を思い出すことができるのに、そのできごとはその瞬間には起きていない…ってことが出てきます。これが過去ですね。同様に「〇〇が起こったら△△が起こる」の△△の部分は、〇〇の地点からみると未来です。曇ってるから明日は雨かなぁ。みたいに予測することで未来が生まれてきます。これらができれば逆も可です。燃えている木の画像と炭の画像があれば、前者がより前の時刻であると想像することができます。

脳はざっくり、発生させた化学物の反応によって電位差を生み出し、その間に流れた電流で思考しています。コンピュータについているCPUは、フリップフロップという仕組みを使って、クロック(電流を流す回数)ごとに保持している情報を更新しながら計算することができます。ものの考え方の大枠は同じです。

脳を模擬して設計された、いわゆるディープラーニングは、入力と出力の間にたくさんの計算式があって、学習によってその計算式の重み(係数みたいなもの)を変更しつづけることで、最適な結果だけではなく「最適な結果を出せる状態」を作っていきます。

人間の学習はこんな感じです。
・サイコロを振ったら1が出た
・サイコロを振ったら1が出ると思っていたが、2が出た
・サイコロは1か2で50%ずつだろう
・と思っていたら3が出た
これを繰り返して、サイコロは1~6がそれぞれ同じ割合で出るっぽい、ということを学んでいきます。曇りの日の降水確率だとか、茂みが揺れた時の猛獣発生率とか、そういうのを何度も繰り返して、自分のなかの確率計算式を変更しつづけることが学び…というわけですね。やはりにている。

でも人間だとここにバイアスがかかってきます。そうすると係数の入れ間違いが起こって「おれはパチンコでよく勝つ!(実は総合的に負けてる)」とか「自分は失敗ばっかりだ」みたいな、事実とは異なることも考えちゃうってことがわかります。

最近はこんな感じのことを考えているので、いろんなことを記録するようになりました。仕事に使った時間、結果、食べたもの、眠った時間、etc… 体感で判断するとミスるので、自分でデータを溜めていって判断する方が良さそうだなーと思ってます。なにかおもしろそうな考察が得られたらまた書きますね。ではでは。

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