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チンギス紀1 火眼 北方謙三著

とにかく、北方「水滸伝」全19巻がもうめちゃめちゃ面白く、人生に一度この読書体験はおススメしたいのですが、じゃあその続編の「楊令伝」全15巻を読もうかとアマゾンのコメントを読むと、軒並み「水滸伝」ほどの興奮はないという感じでしたので、「史記」全7巻と「チンギス紀」と「三国志」全14巻を読むことに方向転換しました。

3つも長編を平行して読む理由は、無収入にもなっているので、図書館で借りて読もうということで、なかなか思うように予約ができず、3つを平行して予約して、来たものから読んでいこうということです。

「史記」は有名だけど何が書いてあるのかよくわからず、入門編として。「三国志」はストーリーの面白さは吉川三国志で経験済みですが、それを北方さんがどう料理するのか興味があるので。そしてチンギス紀は、一時世界を席巻し、日本にも攻めてきた「蒙古」がどういう国で、チンギスハーンがどんな人間なのかずっと興味があったので、やはり北方さん流にどんな物語になっているのか読んでみたかったのです。

その「チンギス紀1 火眼」。2日に分けて読みました。まだ主人公が15歳で世の中にデビュー前の様子なので、展開はそれほどドラマチックではないですが、楽しんで読めました。

チンギス紀は10巻まで出ているようで、それぞれの巻に名前がついています。1巻は「火眼」。主人公の眼をみるとみんなが「ただモノではない」という描写があるので、そのことを言っているのでしょう。

北方さんの長編は、長いしある程度筋立ても複雑なので、最初に登場人物の一覧が出てきますが、やはりその名前が、テムジン、イェスゲイ、ホエルン、カサル、カウチンと聞き慣れない名前がずらりと出てきます。

そのテムジン。チンギスハーンの幼名ですが、福岡にいた時に、餃子のチェーン店があるのを思い出しました。餃子、別にモンゴル料理ではないと思いますが・・・。

餃子のテムジンのホームページにある、「名前の由来」を読むと、もともとある人に店の名前として「ジンギスカン」という名前を提案されたのだが、当時の創業者はまだ若く重すぎると考えて、ジンギスカンの幼名テムジンにしたそうです。

蒼き狼

12世紀末、モンゴル草原の遊牧民たちは、一人の英雄によって統合された

のちのモンゴル帝国である。その国は政治・経済などあらゆる方面で近代性・開明性を示した。

そしてユーラシア大陸全体に「パックス・モンゴリカ(モンゴルによる平和)という状況を作り上げたのだった。

英雄の名は蒼き狼「チンギス・ハーン(テムジン)」である。
(餃子のテムジン ホームページより)

テムジンは創業者の飲食業界における壮大な野心を象徴した名前なのでしょう。

ところでホームページに出てきた「蒼い狼」。どこかで見たことがあります。調べてみると井上靖さんの小説の題名でやはり、「チンギス・ハーン」の物語です。このホームページの文言も、井上靖さんの小説からきているのかもしれません。

1冊で読めて、書評の評判も大変よろしいので、まず、こちらを借りて読んでみることにしました。