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「~において」と「~のおそれがある」の例文

25日夜に行われた、ヒューマンアカデミー社、教育実践Ⅱ(生活者・ビジネスパーソン向け)の最後の授業。テストのあと、JLPT(日本語能力試験)対策用文法の教え方についての講義がありました。

日本語能力試験は、日本語学習者の実力を測る目安(N5初級の前半レベルからN1上級レベルまで5段階)となるもので、学習者達にとっては勉強の目標ともなります。

中上級である、N3、N2、N1をとろうとすると、それぞれ100超の文型を理解することが必要で、日本語能力試験対策用文法の授業は、約2か月間、1項目20分~25分で教えていくという事でした。

そのために、教師は一つの文型に対して10個の例文(対象となる学習者、留学生・生活者・ビジネスパーソンなどそれぞれに合うもの)を作ることが必要だということでした。

講義では、「~において」と「~のおそれがある」の文型の例文を5つずつ考えることに。

私は、一応留学生を想定して、以下の例文を考えました。
「~において」
あなたはコンクールにおいて優秀な成績を収めました(表彰状の一部)
成人式においては悪ふざけをしないように。
「~おそれがある」
明日は雨が降るおそれがあります。
明日は雪により電車が動かないおそれがあります。
緊急事態宣言が3月まで続くおそれがあります。
この山に入ると熊と出会うおそれがあります。
フグのキモを食べると死ぬおそれがあります。

どちらも書き言葉ですが、特に「~において」は、しっくりくるのは私の中では表彰状の文言くらい。「~おそれがある」はニュースとかに出てくるので、まだ馴染みがある。

他の受講生も「~おそれがある」の方が例文をつくりやすいと言います。

テキストに載っている例文は以下の通り。(日本語表現文型500より)

「~において」
① 卒業式はA会館において行われる予定です。(これは学習者にも身近かも・・・)
② 最近、環境への関心が高まったためか、人々の暮らし方においてもある変化が見られる。
③ マスコミはある意味において、人を傷つける武器にもなる。
1) ものごとが行なわれる場所、場面、状況、分野、領域などを表わす。
2) 「~で」と大体同じいみだが、改まった書き言葉だから、日常的な文の中ではあまり使わない。 ×わたしは毎日図書館において勉強します。

「~のおそれがある」
① この薬は副作用のおそれがあるので、医者の指示に従って飲んでください。
② 昼頃、風雨が強まるおそれがありますので、外出するときはお気をつけください。
③ この地震による津波のおそれはありません。(これは決まり文句ですね)
1)「~という悪いことが起こる可能性がる」言いたいときに使う
2)ニュースや通知などで使われる硬い表現。

この事例を見る限り、「日本語能力試験」対策文法の授業は、同じ25日の昼にやった「教育実習」の中級向け授業と同じ内容です。「中級向け授業=日本語能力試験N2N3合格対策試験対策授業」なのかもしれません。

もしそうだとすると、「わたしは毎日図書館において勉強します」のような、「日本人は使わないけど、この文型を理解するためには『日常的』で学習者にとってわかりやすい」例文も使わないと、10個も例文を作れるような気がしません。

授業後、ここまで頭が整理できていなかったので、質問できませんでしたが、次回の「教育実習」で、「学習者にとってわかりやすい例文の作り方」について質問してみたいと思います。