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告示校(日本語教育機関の告示基準)

「告示基準」とは、「日本語教育機関が留学生を受け入れるために守る必要のあるルールです。この告示は法務省の出入国在留管理庁によって行われます。

とても厳しい基準が課されていますが、ひとつは、1980年代後半のバブル経済の頃に就学生希望者が急増し、彼らを受け入れる民間の日本語学校も林立して、一部に出稼ぎ目的で来日する者の就労の隠れ蓑となっていた日本語学校もあり社会の非難を浴びた経緯があります。もう一つは、日本の文部科学省の学校を管理する体制の影響もあると思います。

もともと日本語教育機関の審査・証明事業は財団法人日本語教育振興協会によって行われていたのですが、平成22年より変更になり、法務省が文部科学省の意見を聞いた上で告示を行う体制になっています。

そして(法務省)告示校とは、大学等以外において、日本語を勉強する目的の外国人留学生に在留資格「留学」を取得させ、受け入れることが可能な日本語学校のことです。

日本語教師養成講座の教育実践でこの告示基準を勉強しました。

教員は、3人以上、かつ生徒20人につき1人以上の教員が配置されていること
専任教員が、2人以上、かつ生徒40人につき1人以上であること
教員の資格について
教員の1週間当たりの授業担当数が25単位時間を超えていないこと

それぞれの学校に充分な教員が配置されていることや、しっかりとした資格をもった教員が配置されていること、一方でその教員が過剰な労働を課されないことを定め、学校の質を担保しようとしています。

校舎の面積が115平方メートルを下回らず、かつ同時に授業を行う生徒一人あたり2.3平方メートル以上であること
校舎に教室、教員室、事務室、保健室、図書室その他必要な付帯施設が設けられていること
教室の面積が当該教室で同時に授業を行う生徒一人当たり1.5平方メートルを下回らないこと
教室に黒板、机、いすその他の授業に最低限必要な設備を備えていること

そんなことまで書くかと思うほど事細かく、施設・設備についても書かれています。一応これも教育の質を施設面で担保しようとしているのでしょう。

在籍管理について、
一か月の出席率が8割を下回った生徒については、8割以上になるまで改善のための指導を行うこと
一か月の出席率が5割を下回った生徒については当該生徒が資格外活動(アルバイト等)の許可を受けている場合は(中略)地方出入国在留管理局に対し当該生徒について報告することとしていること
生徒の在留期間並びに資格外活動の許可の有無及び内容を把握し、出入国管理法令に違反しないよう適切な助言及び指導を行うこと

この辺はもはや日本語教育というよりは、一般の学校の生活指導の範疇で、留学生のプライベートにもかなり深く関わっていくことが必要となりそうです。日本語教育一講師がどこまでかかわるのかは微妙なところですが、教務主任など日本語学校の管理側の人間となった場合は、「告示校」として、外国人留学生に在留資格「留学」を取得させ、受け入れることが可能な日本語学校であり続けるために、主要な仕事となってくるのでしょう。