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日本語教育初級 模擬授業 条件形に挑戦

15日には、ヒューマンアカデミー社 教育実践の授業で初級(留学生向け)の模擬授業もありました。

私が選んだお題が、「みんなの日本語初級」35課「条件形」
春になれば桜が咲きます。
ボタンを押せば開きますよ。
など、ある事柄が成立するためには「~ば」の条件が必要であるという関係を示す文型の勉強です。

文型の導入は、
「テレビのリモコンにボタンがたくさんあって、使い方がわかりません。」
「説明書を読めば、使い方がわかります。」
「店の人に聞けば、使い方がわかります。」
とか
「春になります」「桜が咲きます」「春になれば、桜が咲きます」
「冬になります」「雪が降ります」「冬になれば、雪が降ります」
などでしました。

そして、条件形の活用を動詞のⅡグループ→Ⅲグループ→Ⅰグループと進め、その後、用意したワークシートに基づき基本練習へ。

① 説明書を読みます。使い方が分かります
→説明書を読めば、使い方が分かります。
② 雨が降ります。涼しくなります。
→雨が降れば、涼しくなります。
など、10個例文をあげて、模擬学習者に答えてもらっていました。

そこで「鋭い」模擬学習者から質問。

「『~ば』は『~と』ではだめですか?どう違うのですか?」

私は絶句・・・・

やっと気を取り直して、
「『~と』はまた別の課でやりますから、その時に勉強しましょう!」
とやり過ごしたのでした。苦笑いの模擬学習者。

確かに
① 説明書を読むと、使い方がわかります。
② 雨が降ると、涼しくなります。
は「~と」でも意味はつながります。

文例の中には
③ 「意見があります」「言ってください」
「意見があれば、言ってください」〇
「意見があると、言ってください」×
のように「~と」では意味がつながらないものもあります。

例文は、「みんなの日本語35課」の例文を少しずつ変えて提示したものでしたが、この質問に対する対策はできていませんでした。

あとで文法テキストを調べると、類似の語彙に「ば、たら、と、なら」がありますが,「ば・たら」は動詞の活用で、「と、なら」は順接条件の接続助詞となっています。

文法的な位置づけはともかく、使い方をどうすればよいのか?

模擬授業終了後の、 N先生からは、「基本練習の例文はいいのだが、導入で『春になれば桜が咲きます』を使っているところがわかりにくくしている」というような趣旨のフィードバックをいただきました。

また、「この項目はわかりにくいので、来週の最後の授業で私の授業をお見せします」ということでした。

日本語文法ハンドブック(144P)によると「と、ば、たら」には使い方について、出身地による違い(方言差)もあって、難しいようです。

きょうのところは「よくわからないことがわかった」という状態ですが、次回のN先生の授業が楽しみです。