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ひよ子

同じく、ちびまる子ちゃんの年齢のころ。母は症状がひどいので、実家に帰ったり、戻ってきたりしていました。当然、アルコール依存症の父と二人。小学校3年生あたりだと、例え妄想状態だとしても、まだ母親が必要な時期でした。
朝学校へ行く前、一人でズームイン!を見ていったのを覚えています。さみしいという感情でもなく、なんとも言えないような、無でした。育児放棄されていると感情が鈍麻してしまいます。ただ、母は時々帰ってきて可愛がってもらい、またおかしくなって帰るの繰り返しでした。単純にネグレクトであれば感情の鈍麻になるのかもしれませんが、統合失調症の両価性を向けられたためか、私は愛情に貪欲になる大人になります。また、別れなどはとても情緒不安定になります。
本題のひよこのお菓子ですが、母がいないとき、父はかえってくるまでの間のごはんとして、1日ひとつおやつを用意してくれました。私はそれをもらってもうれしくなかったのですが、なぜだかそれを全部食べるのではなく、少し残して貯めていくようになりました。お菓子があれば精神的に落ち着いたのかもしれません。
あるとき、お土産でもらった、ひよこのお菓子をわたされました。食べようとひらいてみると、ひよこがとてもかわいかった。
あまりに食べるのがかわいそうで、愛らしく、そのまま包み紙でしまって、他のお菓子と一緒にしまいました。
その後、学校から帰ってはひよこをみる、寂しくなったらひよこをみていました。
ある日、家に帰ると、母が帰ってきていました。うれしいという感情はあまりありませんでしたが、すこしホットしたかもしれません。雑然とした部屋の中にランドセルを置き、ふとちゃぶ台の上をみると、ひよこの包み紙が無造作においてありました。

・・・

とても、とても嫌な予感がしました。
急いでお菓子を入れていた袋をあけてみると、ひよこがいませんでした。
その時、はじめて、母に本気で怒りをぶつけました。
なんで、いてくれない、なぜおかしいことばかりする、なおってない、なおってない、出ていけ。
母は涙しそのまま実家に帰りました。
あとから、祖母に、なおってない、なおってないと母がつぶやいてもどってきたと聞き、

今でも、思い出すと、

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