そこは、自分の弱さに飲み込まれない場所【FC刈谷 7/9】
おはようございます、板近 代です。
7月9日。
FC刈谷は5対0という、力強い勝利を見せてくれました。
今日は、この素晴らしい試合を撮影する中で直面した私自身の弱さと、その弱さに飲み込まれなかった理由について書かせていただきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
※ページ末の『撮影情報』の後にも“熱い選手たちの写真”を掲載しておりますので、ぜひご覧ください!
※写真クリックで拡大表示できます。
最高の一日と、私の弱さ
この日の観戦も、とても楽しい観戦でした。
早めに家を出て“ともにFC刈谷を応援する仲間”とラーメンを食べ、ゆっくりおしゃべり。
現地についてしばらくしたら、どしゃぶり雨を降らす雲が頭上を通ってびっしゃびしゃ。
子どものころ大雨の中で傘をささず、ずぶ濡れになることを楽しんだときのようなワクワクする開戦前。
夏は大雨が似合うなぁ、なんて思ったり。
戦いの結果は、5-0でFC刈谷の大勝利!
帰りも、たくさんおしゃべりをして。
もう本当に本当に最高の一日でした。
でもあることに、私の弱さががっつり出てしまいました。
それは、写真の撮影。
今まで常に自分の成長を感じることができていたFC刈谷の撮影に、私の弱さが出てしまったのです。
思っていたよりも近い? 遠い?
今回の試合は事前発表で、遠い距離からの撮影になることがわかっていました。
その現場を実際に見た感想は……
「思っていたよりも、近い」
遠いは遠いしネットもあるけれど、そう問題なく撮れるだろうと感じたのです。
「今日は選手をアップで撮るのは厳しいから、いつもより広めの写真で伝えることを意識しよう」
現場での撮影のイメージも、撮影後にパソコンでどんな仕上げをするかというイメージも試合開始前に固めることができました。
しかし、実際に試合が始まってみると…………
「思っていたよりも遠い!」
わかっていたはずなのに……
試合前にカメラを通した距離感を確認したはずなのに……
ファインダー越しの試合の見え方がいつもと違いすぎることに、私の中の撮影感覚が狂ってしまったのです。
不安になったのは、今までの撮影で「うまく撮れた!」と思ったカットに、選手を大きく写した写真が多かったからかもしれません。
実は何試合か前から、あえて選手をアップで映さないことでその凄さを伝える“周囲の状況も伝える写真”を模索してはいました。
でも、その経験を活かすことができませんでした。
具体的なアイデアが出てこない。
たとえば、以下の一枚で言うと「この場面を広く写せば、選手がラインギリギリまで走って一対一の勝負をしたことを伝えられるのではないか?」というようなアイデアが出てこないのです。
加えて、距離や天候などの影響で視界が少しぼやけていました。
肉眼で見る分には問題なし。
でもファインダーを通して見ると……ぼやっとしてしまってピントが合っているかどうかがわからない。
「やばい……」
狙い通りにピントを合わせられているのかどうかがわからない中での撮影は、強い不安を育てていきました。
「撮り逃したらどうしよう」
前回の試合で“ゴールを伝える上でほしかったいくつかの場面”を撮れなかったことを強く思いすぎた結果、私の動きはかたくなり、柔軟性を失っていました。
「今撮った写真、ピント合ってたのかなぁ」
「今、選手の動きにタイミング合わせれたかなぁ」
シャッターを切れば切るほど、ちゃんと撮れたかどうかわからない写真が増えていきます。
焦る気持ちは、私にとても単純なことを忘れさせるほどでした。
カメラに搭載されている、視度調節機能。
ファインダーの横にあるダイヤルを回し、見え方を調整する機能の存在をすっかり忘れてしまっていたのです。
そんな私に「視度調整したら」と教えてくれたのは、いつも一緒に写真を撮っている友人でした。
そのおかげで“ピントがよくわからない問題”は解決。
でも……私の狂った感覚は簡単には戻りませんでした。
私は今までの撮影で、ここまできつい“撮影と自分のズレ”を経験したことがなかったのです。
これまでの人生の全撮影の中で、最も危うい状態にあったと思います。
でも、パニックにはなりませんでした。
撮影をあきらめることもありませんでした。
その日私が立っていた場所は、FC刈谷の試合会場。
目の前に、熱く戦う選手。
鳴り響くのは、熱い応援の音と声。
熱さの中にいたからこそ、撮影感覚が狂ったままでもまっすぐに撮り続けることができたのです。
「狂っているならば、いつも以上に撮ればいい!」
たくさん撮って成功率を上げるという方法は、今までずっとやってきたこと。
「私のカメラは、愛機だ」
自分の撮影を信じることができなくとも、カメラを信じることはできる。
ここにいる限り、私は私であれる。
FC刈谷という名の熱により、私は最後の最後のところでブレずにすんだのです。
そして、今までにもらった言葉も私に力をくれました。
この日この場所でカメラを構えるまでにたくさんいただいた、私の写真への感想。
次の写真も楽しみにしていますと言ってくれた人たちの、あたたかさ。
「いつものようにできない」という恐怖に、私の心が溺れて沈まなかったのはたくさんの人たちがくれた力と思い出のおかげでした。
そんな私の状態を察してか、ハーフタイムには友人が駐車場まで戻り、より拡大できる軽量なレンズを持ってきてくれました。
私のことをよく知る友人のことですから、私がいつもより早くエネルギーを消耗していることに気がついてくれたのでしょう。
その優しさが、私の力を回復してくれました。ありがとう。
試合後は、しばらく動くことができませんでした。
疲れて動くことができませんでした。
でも、それは試合が終わった後の話。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
最後まで、最後まで撮りきることができました。
私の弱さが思いっきり出てしまった結果、わかったこと。
「やっぱりFC刈谷は最高だ。全部、全部が最高だ」
今回の試合、撮影枚数は今までの試合で一番多くなりました。
そして上手く撮れなかった枚数も、厳密に数えたわけではありませんが、今までで一番多いと思います。
普段なら、まずしないようなミスもしました。
技術ではなく「カメラがねばってくれたおかげで撮れた」と思われる写真がいつも以上にたくさんありました。
そんな中、ピントやタイミングがあっていない写真はあるものの、全てのゴールを撮影することができたのは、奇跡のようなことだと思います。
本当に、ありがとうございます。
この試合の撮影も最高に楽しく、熱く、生きている実感のある素敵な時間でした。
本気であれるというのは、本当に本当に素晴らしいことですね。
FC刈谷ゴール集!
1点目 背番号5 井塚脩斗選手(36')
2点目 背番号15 野村柾斗選手(53')
3点目 背番号23 園田新一郎選手(67')
4点目 コーナーキックから、相手選手によるオウンゴール(73')
5点目 背番号3 茂庭照幸選手(90+3')
頂点目指して!
久しぶりのリーグ戦、FC刈谷はクリーンシートで大量得点という素晴らしい勝利を収めました。
この日の勝利は、7月1日の試合の記事で書かせていただいた“進化”が、さらに力強い形となって現れた結果だと思います。
だからこそ、だからこそ、これから戦う強敵たちにもFC刈谷は勝つ。
残り全戦全勝で東海リーグ優勝、そしてその先にあるJFL昇格を目指して邁進するFC刈谷の戦士たち。
今週末のホームゲームも熱い勝利を!
撮影情報
⚽撮影日等
撮影日:2023年7月9日
第58回東海社会人サッカーリーグ1部 第10節
vs Tokai.Gakuen.Univ.
会場:東海学園大学三好キャンパス第1グラウンド
⚽撮影機材等
📸①
PENTAX K-3 Mark III
HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW
↓
HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE
※ハーフタイムにレンズ変更
📸②
PENTAX K-1(アップグレード済み)
HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR
💻その他
Lightroom Classic(RAW現像)
Photoshop 2023(トリミング)
※写真下に7/9以外の日付の記載がある写真の撮影情報はこちらの一覧からご確認ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?