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バブル後に急速に普及したインターネット

ITサポーターTsuchidaの土田です。バブルが崩壊したのは1992・93年の頃です。当時はIBMを中心とした汎用コンピュータの時代でした。ただ汎用コンピュータがあまりに高価だったので、各メーカは汎用コンピュータより安価なオフィスコンピュータ(いわゆるオフコン)を発売して、中小企業にコンピュータを売り出しを図ったのです。いまだにオフコンを使っている会社は存在しますが、オフコンを使っている会社は1990年代頃にシステムを導入した企業なのです。

バブルが崩壊したころにWindows3.1が発売されました。私はCompaqのPCにWindows3.1をインストールしていろいろと触っていました。単独のPCだとこれ以上触っても仕方がない状態だったので、電話回線でデータのやり取りをするモデムという装置を購入しパソコン通信を始めることにしました。

モデムを購入すると、当時パソコン通信で一番利用されていたNiftyにつながるNifty Managerというソフトがついてきたのです。モデムをモジューラジャックで電話回線に接続して、PCとモデムはシリアルケーブルで接続して、その後にPCにNifty Managerをインストールすると、Niftyに簡単に接続できました。私はインターネットを始める2年前からパソコン通信を始めたのです。当時の回線速度も遅くモデムは14.4kbpsでしたので、今と比べると信じられないくらい遅かったのです。

1995年にWindows95が日本でも発売されました。Windows95が発売当時にインターネットが世界で徐々に普及してきました。Windows95はデスクトップにインターネットのアイコンがあったため、Windows95を使えばすぐにインターネットにつながると勘違いした人も多かったのです。私はWindows95のサポートの電話を受けたのですが、「インターネットのアイコンを開いてもインターネットにつながらない」という問い合わせを数多くありました。サポートの立場で言うと、「モデムは何を使われてますか?」「プロバイダはどこと契約していますか?」と聞き返すと大体そこで電話が終了し、楽でした。

当時インターネットに接続するには、モデムを購入し電話とPCに接続して、PCにモデムを登録します。プロバイダと契約して、プロバイダへの接続を設定をします。これって慣れない人には結構ハードルの高い作業です。そのため、インターネットの最初の頃はそれなりの知識がないとインターネットを利用できなかったのです。

私は仕事では1995年からインターネットを使って、翌年には自宅のPCからインターネットを接続していました。自宅のモデムが14.4kbpsだとNiftyが遅いと感じたので、33.6kbpsの新しいモデムを購入したのです。そのモデムにプロバイダのキャンペーンがあって、キャンペーンの手順に従っていたら簡単にインターネットにつながりました。それからは毎日自宅でもインターネット接続するようになりました。

当時は電話回線での接続なので、速度が遅いことより、接続時間によって電話料金がかかること、インターネットにつなぐと電話が使えないことなど、それなりの制約がありました。ただ、インターネットでに接続できる人はそれなりに知識のある人が多かったので、掲示板を見てもそれなりにいい書き込みがたくさんありました。今と違ってネットリテラシーが高かった気がします。それにメールのやり取りも常時接続でないがゆえに、メールを出しても48時間以内に返信がくればいいという感じでした。今のようにSNSでレスポンスに1時間もかかると遅いというのと違って、インターネットも非常にのんびりしていたのです。

当時はまだGoogleという会社ができ始めたころだったので、キーワード検索の精度が低く、企業のドメイン名をアドレスバーに直接入力して、公式サイトを見たものです。当時はコンテンツが少なかったのでそれですみましたが、コンテンツが増えると検索って重要になります。そう考えるとGoogleの創業者って先見の明があったのかもしれません。

インターネットの普及とともに通信環境が変化しました。モデムではさすがに遅く感じ、ISDNに切り替えてターミナルアダプターを使ったり、ISDNでも遅いと感じて、ケーブルテレビ経由でインターネットに接続したりで、そのたびに機器の購入や手続きの変更をしていました。やがてADSLや光ファイバーがでてきて、通信環境が劇的に向上したのです。長い間ネットを使っている人間からすると、回線の都合でいろんな通信機器を買い替えたので、今考えるとなかなかコストがかかったものだと感じます。

よくネットを使いこなせない中高年を馬鹿にする若者がいますが、中高年にも色々います。私がパソコン通信を始めたばかりの頃に、私よりも20歳年上の人がいたわけで、当時50歳で今生きていれば70代後半です。ネットがまだ普及していない頃から、頭が柔軟な人は新しいことをどんどん取り入れるのです。中高年でネットを使いこなせない人の割合が多いことは事実ですが、逆に中高年でネットを使いこなせる人にはリスペクトした方がいいと思いますよ。

ちなみにスマホやWIFIでネットにつながっている人は、海外のサーバと無線で世界中とつながっていると思っているんでしょうかね。無線は基地局やアクセスポイントまでで、そこから先は光ファイバーなどの有線なのです。海外とは海底ケーブルでつながっています。インターネットがインフラになってきた今日この頃なので、インターネットの仕組みを理解してみるのもいいのかもしれませんね。

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