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起業してはじめて知ったこと

ITサポーターTsuchidaの土田です。会社に雇われているときには自分に関係なかったことでも、いざ起業してみると初めて知ることってあります。
それでも起業するって思い切りがないとできないので、自分なりに覚悟はしているはずなのです。覚悟はしていても、いざどう対応したらいいかわからずに出口が見えないと、迷路から抜け出せなくなります。
私が起業して現在に至るまでに思い知ったことを記事にしてみます。

起業を決意した理由

起業する前には会社勤めをしていて、年齢が上がるにつれて会社の中の立ち位置が難しくなったのです。地方の会社は東京の会社と違って、雑用が多く新しい知識を得ることがなく、このまま年老いてゆくことに不安を感じたのです。

会社を辞めて、パソコンの講師をしたのですが、パソコンの講習に非常に違和感がありました。例えばExcelの講習でよくあるのが、出来上がっているデータに関数やピボットテーブルやグラフを作って仕上げるというものです。
でも実際にはデータを作る作業が大変なわけで、大変な部分は割愛するのです。パソコン教師はできる仕事ではあっても、やり続ける仕事ではないと感じたのです。

年齢も高くなり今更再就職も難しく、パソコン講師もしたくないとなると、残された道は起業しかないのです。起業するしかないと考え始めると、起業するにはどうすればいいのかを考えるようになります。

創業支援に相談

創業支援の窓口って、国や都道府県や市町村や商工会議所など窓口の数だけはそこそこあります。ただ、創業支援の相談は自分でお店を開きたい場合にはいろんなメニューがあるのですが、私のようにITで起業を支援するという創業には何の助言もできないのです。

最低限ITのことを知っている人に相談にのってもらおうと、いろいろ調べてみて相談をしました。ITを知っている人からは、「今までにない仕事で可能性はありそうなので、地元の企業は商工会議所が一番情報があるので、商工会議所と連携してください。」とアドバイスされるのです。

そこで商工会議所の会員になって、経営相談をすると仕事を始める前なので創業支援の専門家に回そうとするのです。
「新しい会員と既存会員の交流の場はないのですか?」と商工会議所の担当者に尋ねると、「そんなことはやったことがない。」ということで地元の企業とつながりを持つことができないのです。

エンジニアには営業は難しい

起業して一番最初に突き当たるのは営業活動です。起業時点では実績がないのは当たり前なのですが、実績がない人間には誰も相手をしないのです。
特に私のようなエンジニアは、技術のことはいくらでも話ができるのですが、技術以外の営業話というのはどう話したらいいのかわからないのです。

地元の企業と知り合うきっかけとして、商工会議所の会員になったのですが、商工会議所としては新しい会員を既存会員に紹介したくないらしくて、自力でコネを作ってくださいというのが基本的なスタンスでした。

苦手な営業活動も覚悟しながらやっていても、起業して半年以上何の仕事もしていないと、自分は間違っているのかなと自信喪失に陥ります。

そんな中最初の創業支援の相談にのってくれたアドバイザーから、私の地元の企業でIT担当者が退職するので、困っているから一緒に話を聞いてほしいということになりました。

実際に企業に行ってみて、企業が困っていることを聞いて、自分の対応できることを話したのです。この企業が私が最初のお客さんです。仕事がないと活躍の場を与えられなかったようなもので、ようやく活躍の場を与えてもらったという思いで、できることをやってずっと契約していただきました。

営業の下手な私が最初の仕事にたどり着くには、何らかのきっかけがないと無理だと思っていました。何故かというと、起業した時点では実績がないからです。実績がない状態では誰も相手をしてくれません。アドバイザーの方からお話を聞いたときは、わらをもつかむ思いだったので、ありがたいという思いでいっぱいでした。

入金されない売上は貸し倒れ

最初の仕事が始まると、少しずつですが、新しい仕事に結びつきます。請求書を発行して、入金されるという売上の循環ができてきます。

そんな中去年の3月に、私の最初のお客さんになっていただいた企業が破産をしてしまったのです。破産をするということは入金されていない請求書の売上は未入金のまま貸し倒れになります。

自分が事業主となって売り上げてもお金にならないと貸し倒れになることを初めて知るのです。会社で営業や経理の仕事をしている人は、貸し倒れに遭遇することはあるのですが、エンジニアは貸し倒れを知ることはないのです。起業するということは、貸し倒れの覚悟も必要なんだと実感しました。

最初のお客さんになった企業への思い入れ

破産をして今は関係が全くなくなってしまいましたが、私にとって最初にお客さんになっていただいた企業には特別な思い入れがあります。担当者にはよくしてもらいましたし、自分の作ったツールや成果物が役に立ったという自信にもつながりました。

本来破産前だと、経営が苦しくて私のような個人事業主は契約を切られても仕方がないのです。それが最後まで契約を切らずに、最後の請求書以外は入金していただきました。実は破産の当日も企業に訪問して打ち合わせをしていたのです。

破産の知らせを受けたとき、自分は他の仕事もあるので路頭には迷わなかったのですが、担当者の方は突然仕事が無くなってしまったのです。会社が破産するということは、その会社で働いていた社員の仕事がなくなるということで、仕事でかかわった社員のことが心配になりました。何とも言えない寂しさを感じたのです。

最後に

創業支援で一番必要なのは、営業未経験者対する営業支援だと思います。ところが商工会議所は企業を紹介することが営業支援だと思って、営業支援はしませんというスタンスなのです。

私の言う営業支援とは、最初に企業に行くときはどういう人とどういう話をするとか、営業の電話はどのように入れるべきかとか、基礎のできていない人にベーシックな支援をすることです。

よくダメ元でとか当たって砕けろという言われるのですが、何の戦略もなく何の準備もなければ、ダメ元はダメでしかなく、当たると100%砕けるのです。最低限の営業マナーとか営業テクニックを教える講座ってありそうでないんです。怪しげなマーケティングの講座は山ほどあるんですけどね。企業で営業をやっていた人は山ほどいるのだから、その人たちのノウハウを伝える場があってもいい気がするのですが・・・

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