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ITエンジニアに就職/転職しようかなと思ってる人に読んで欲しい話

あんたは学生で、就活をしなければならない。努力してブランドのある学歴を手にしている訳ではない、ただの普通の大学生だ。なんとなくITがいいかなとか感じている。
もしくは若手の社会人で、現職では成長出来ないと感じている。エンジニアへの転職を考えている。
メディアや広告は転職を煽る。「今のままでいいの? 変わるなら今だ」

そういう人に向けた記事を書こうと思う。
俺は被害者っつーか転落者っつーかそんなのばっかり見て来た。もううんざりだ。
フィクションじゃない、あんた自身に降りかかるかも知れない現実の話。

最近のある調査によると男子中高生のなりたい職業第2位はITエンジニア・プログラマーなんだそうだ。
お前らまじか、とは思うけどそれは置いといて。
理由として「プログラミングが好きだから」って意見が多くあがったらしい。
2020年から順次、プログラミングは小中高校の必修科目になっているから、実際に触れた奴の意見なんだろう。
エンジニアに限らずあらゆる職業は椅子取りゲームだ。誰かが勝てば誰かが負ける。
あんたがITエンジニアを職業としたなら、数年後にはガキの頃から触っているプログラミングネイティブと戦わなくちゃならない。AIの台頭もあるだろう。
その時あんたは戦えてるか?

今現在に話を戻そう。

2023年現在、未経験者がITに参入する事は難しくなった。
昔から実務未経験者への門戸は狭かったし、エンジニアワナビーをエンジニア職ではない仕事の就かせる業者もいたが10年前より5年前、5年前より今の方が難易度は上がっていると感じられる。
それでも新卒市場からのIT参入はさほど難しくないから、あんたが学生なら新卒カードは大事にするべきだ。
完璧な正解なんてものはないけれど、自身にとってより良いと思える道を選ぶといい。
情報収集は中々に困難。発信されているのは総てポジショントークだと思うべきだ。俺の文章も含めて。
だからあんたは自分の頭を使って、発信者が何を狙って発言をしているかを考えなきゃいけない。
誰のどんな意見であろうと鵜呑みにするべきじゃない。

一方で中途未経験者の正解ルートは俺もまだ見つけられていない。
上記の通り、ワナビーを食い物にする業者はいくらでもいて求人自体はある。そいつらを掻い潜るだけでも一苦労。多分あんたに見分けはつかないだろう。
東京の市場は突出して腐った、なんて話も聞いている。俺もそうかもしれないと思う。

ITは入口で目詰まりを起こしている。

少し前の話になる。
2023年6月19日、政府は社会人の学び直しから転職までの支援を発表した。
希望者はプログラミング等の民間講座を助成を受けながら利用出来る。
今後3年間で30万人以上の転職の後押しをするとの事。
何故転職の後押しをしたいのか。
政府は雇用流動性が高まると生産性と賃金が向上するとしている。
資料にも目を通したが、雇用流動性と生産性の相関性は俺には読み取れなかった。
とにかく政府はこの謎理論によってばんばん転職させたいらしい。

でだ。
経産省のホームページで確認できる「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 採択事業者(1次公募)」は見事に人材派遣会社と転職エージェントとプログラミングスクールばかりだった。
つまり3年後に出来上がる求職者は
・20代後半
・スクールで1年間Railsを学習
・前職は異業種でIT実務経験なし
・エージェントを通じて応募
・って事は年収の30%(現在の相場。数年後は上昇してる可能性高)を支払う必要有。つまり採用するだけで100万近い金が飛ぶ

こんなん雇えるか。

事業会社であってもITベンダーであっても、採用ペルソナから外れている。
採用力が弱い会社や、頭数だけを増やしたいSES企業は飛びつくだろうが、求職者からしたら未経験求人を検索するのと結果は同じだ。
儲かるのは採択事業者だけで、まともなITの求職者と求人者には何の益にもならない。
IT界隈だけではないのかもしれないけれど、この国にはこういう構造が多分あんたが思うより多くある。せいぜい引っかからないように気を付けてくれ。

ITは入口で目詰まりを起こしている。
解決策は今はまだ見つかっていない。

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